
開幕前には上位を予想されながらも、13勝18敗でア・リーグ東地区最下位となっているオリオールズ。チーム低迷の原因は、ピリッとしない投手陣だろう。
開幕時は、ザック・エフリン投手、グレイソン・ロドリゲス投手、チャーリー・モートン投手、ディーン・クレマー投手、菅野智之投手というまずまずのローテーションとなる予定だった。しかし蓋を開けてみると、1番手のエフリンは4月7日(日本時間8日)のダイヤモンドバックス戦を最後に負傷者リスト(IL)入り。ロドリゲスは開幕前に肘の違和感でIL入り。モートンは開幕から0勝6敗、防御率9.45と未だ勝ち星がなく、リリーフに回っている。さらにはクレーマーも2勝4敗、防御率7.04と散々な状況なのだ。
その中で孤軍奮闘しているのが、今季からMLBに挑戦した“オールドルーキー”菅野だ。
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■好成績を残すも、不安要素もチラリ
菅野はここまで6試合に先発し、3勝1敗、防御率3.00と今やローテ1番手の活躍を見せている。特筆すべき点は、日本球界時代から評価されてきたコントロールの良さだろう。ここまで33回を投げ、与えた四球はわずか6つ。BB%も4.4とMLB全体で見てもかなりの好数値となっているのだ。
しかしながら、その他の指標に目を向けてみると成績ほどは芳しくない。一番の注目点はxERAの数値だろう。投手が打たれた打球の質などをもとに、投手の能力をより紐解くことになるこの数値は現在5.66。実際の防御率3.00とは大きな開きがあることがわかる。つまり好守により阻まれた打球や運良くアウトになった打球が多いとも言えるのだ。
実際に菅野のバレル数値は全体平均以下であり、打球を捉えられていることがわかる。さらに奪三振の割合を表すK%は12.6と下位30位以内に入る数字となっており、奪三振を効率的に奪えていないことが、xERAにも影響していることが考えられる。
決して速くはない球速、さらにバレルの数値も悪く、捉えられたら大きな一打となりかねない菅野だが、直近4月28日(同29日)のヤンキース戦では5回を投げ5安打無失点、奪三振も自己最多の8とメジャーにアジャストしつつあるのも事実。打者を手玉にとる多彩な変化球による投球術を磨いていけば、今後も勝ち星を積み上げられるはずだ。低迷するチームの中で“オールドルーキー”の存在感がより一層増していきそうだ。
菅野の次回登板予定は、中4日で迎える3日(同4日)のロイヤルズ戦。メジャー初勝利をマークした相手であり、ロイヤルズのチーム本塁打数や長打率は現在リーグ最下位。長打力に乏しい打線であることから、菅野としては再び持ち味を存分に発揮できるかもしれない。
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