
今週は東京競馬場でヴィクトリアマイル(芝1600m)が行われる。春のマイル女王決定戦に好メンバーが集まった。
ここでは、過去10年データからボンドガールとサフィラにフォーカスしたデータを取り上げる。
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■ボンドガールに“7年連続馬券内”データ
前走阪神牝馬Sは1番人気5着と人気を裏切ってしまったボンドガール。GI2着など実績は申し分ないが、いまだ1勝止まりとワンパンチ足りないレースが目立つのもまた事実だ。ここも押さえ程度の評価か……その結論に待ったをかけるデータがこちら。
・直近1年以内に牡馬混合マイル重賞5着内→7年連続馬券内
プリモシーンやソングライン、フィアスプライドといった人気盲点もこれに該当し好走。レベルの高い牡馬相手に覇を競ってきた馬は評価すべきとの傾向がうかがえる。
さらにボンドガールをプッシュするのが週末の天候。稍重では【1.2.0.0】、新馬戦勝利のレース&勝ち馬と0秒1差以内の2着2回があるようにパフォーマンスを上げている点は心強い。雨予報の週末東京はこの馬にとって願ったり叶ったりのシチュエーション。最強の1勝馬の脱却へ、強い勝負気配を感じる1頭だ。
■サフィラに「0.0.0.6」の壁出現
ボンドガールが敗れた阪神牝馬Sを制したサフィラはどうか。条件馬の身で臨んだ当時は低評価を覆す勝利。GI馬サリオスを兄に持つ良血馬がついに覚醒の時を迎えたと思いたいところだが、今回は本馬の経験値がネックとなる。
・前走阪神牝馬S勝利かつ牡馬混合重賞経験なし【0.0.0.6】
このなかにはミスパンテール、ミッキーチャームといった当日単勝オッズひと桁台の馬も該当。前哨戦Vの勢いをもってしても、牡馬混合重賞経験がないことには好走に結びつかないとのデータだ。
改めて前走を振り返ると、1000m通過59秒4とマイルでは異例の超スロー。その流れを道中2番手追走と、展開の利があった事実は否めない。3歳時には東京への輸送で大幅馬体重減の経験もあり、ここは思い切って消す選択肢も頭に入れておきたい。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。