
トレード話が急浮上しているパイレーツのポール・スキーンズ投手について、ベン・チェリントンGMが22日(日本時間23日)、記者の質問に答えた。チームの低迷が続く中、若き剛腕の周辺がにわかに騒がしくなっている。
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■「チーム内で話題になっていない」
昨季ナ・リーグ新人王のスキーンズを巡って、トレード話が急浮上している。その発端は米スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン記者が発したコメント。先日、配信番組「The Pat McAfee Show」に出演した同記者は「スキーンズについて問い合わせをしているチームがいくつかある。(売るなら)今が最高値だ」と発言。その後は多くの米メディアが移籍先を予想、トレードパッケージを提案するなど報道が過熱している。
そんな中、22日(同23日)に行われたブルワーズ戦の試合前、パイレーツのチェリントンGMが取材に応じ、トレードの噂について口を開いた。「有望な若手野手が欠乏しているチームにとって、スキーンズのトレードは検討事項か」と問われると、「いや、チームの中でその話はまったく話題になっていない」と返答した。
パイレーツはナ・リーグ中地区で最下位。低迷の原因となっているのが、打率や本塁打をはじめ、得点、長打率、OPSなど、ほぼすべての主要項目で全体ワーストかワースト2位に甘んじている攻撃陣にある。このため、スキーンズも19日のフィリーズ戦で8回3安打1失点という快投を披露し、メジャー初完投も記録したものの、打線の援護がなく5敗目(3勝)を喫した。
■夏のトレード期限を視野か
パイレーツは2029年シーズンまでスキーンズを保有できるため、急いで放出する必要はない。ただ、金欠気味のチームが今後、メジャー屈指の剛腕にふさわしい年俸を払っていくことは、まず不可能(スキーンズが年俸調停権を取得するのは26年シーズン終了後)。
それならば、今のうちにスキーンズに対するトレードオファーに応じ、代わりに複数の選手を手に入れてチーム再建に乗り出すべきという論調が台頭することは明らか。
チェリントンGMは記者陣に対し、「とにかく、チームがもっと良くならないといけない。もっといい野球をすることが、もっと多くの勝利につながる。そして、7月を迎えた時、自分たちがどこにいるのかを見てみよう」と話し、トレード期限を見据えていることも示唆した。
パイレーツファンに限らず多くの野球ファンは、スキーンズがポストシーズンで躍動する姿を見たいと願っている。その願いは届くのか、今夏の移籍市場から目が離せない。
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