【MLB】「データ活用→低予算で強化」の流れは拡大も…裏に潜む“ビジネス課題” フィリーズはまさかの訴訟直面 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【MLB】「データ活用→低予算で強化」の流れは拡大も…裏に潜む“ビジネス課題” フィリーズはまさかの訴訟直面

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【MLB】「データ活用→低予算で強化」の流れは拡大も…裏に潜む“ビジネス課題” フィリーズはまさかの訴訟直面
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近年、ゲームの勝敗や成績に大きく直結するようになってきたのがデータ分析の部分だろう。MLBではデータ分析が戦略の中核を担うようになり、勝敗を左右する要素としての存在感を強めている。

各球団はそれぞれ独自の方向性でアナリティクス部門を強化し、打撃や守備、走塁にいたるまで、あらゆるデータを取得・分析することでプレイの最適化を追求しているのは、選手たちが試合中にタブレットが手放せなくなっているところをみれば一目瞭然。スタットキャストやトラッキングデータの進化により、現場の意思決定にも大きな影響を与えている。レイズやガーディアンズといった球団は、独自路線でのデータ活用を通じて強豪としのぎを削っているが、昨今では思わぬ部分で“リスク”と向き合っている球団もある。

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■低予算もデータ活用で躍進のレイズ

ヤンキースやレッドソックスといった「ビッグマーケット」のチームが多いア・リーグ東地区に属しながら、資金力に乏しいレイズは限られた資金、予算の中で競争力を維持するためにデータ分析を中心にした戦略を展開している球団の1つだ。

レイズとガーディアンズは効率よく勝利

レイズとガーディアンズは効率よく勝利

2005年に現在ドジャースの編成本部長をつとめるフリードマン氏を編成部門のトップに採用。当時まだ20代だった若手金融マンのフリードマン氏は、データ・数字を駆使する戦略で激戦区を戦い始めると、2008年には97勝でチーム初の地区優勝。以降も低予算ながらリーグ優勝2回、地区優勝4回、ワイルドカード5回とポストシーズン進出の常連チームとして名を馳せることとなった。

的確なデータ分析で、若手選手を獲得し育成した後に、年俸が高騰しそうになるとトレードで“売却”し新たな才能を得る。低予算球団だからこその闘い方ができるのは、まさにデータ活用の賜物と言えるだろう。

■ガーディアンズが得意なダイヤの原石発掘

また、ガーディアンズも1901年創設と歴史のあるチームながら、レイズ同様に低予算ながら育成を主として上手く戦っているチーム。中でも、好投手を数多く排出することでも知られている。

投手育成において独自のスカウティングシステムとデータ活用により、他の球団が見逃すような“ダイヤの原石”を拾い上げて磨くのが非常に上手いのだ。たとえば、シェーン・ビーバー投手はドラフト4巡目全体122位と決して学生時代に目立った存在ではなかったものの、彼の特徴を最大限に活かすスタイルでの育成に成功。メジャー2年目となる2020年にはサイ・ヤング賞を受賞することとなった。

また、タナー・ハイビー投手も2021年ドラフトにおいては5巡目全体156位ながらも、2023年にメジャーデビューを果たすと10勝を挙げ新人王投票で2位、2024年も12勝をあげるなどわずか数年でチームの中心投手となった。今季スタート前には2029年までの5年契約を早々に締結。ガーディアンズは年俸が高騰する前に長期契約を結びサラリーを圧縮することに成功したのだ。

■データ分析に注力も…フィリーズは提携先と訴訟沙汰に

このようにデータを活用しての効率的な球団運営が当たり前のようになってきた昨今だが、そこにはリスクも介在する。ナ・リーグ東地区の強豪フィリーズは、データ分析に多額の資金を費やしている球団ながら、提携先と訴訟問題が発生している。

現地の新聞フィラデルフィア・インクワイアラー紙によると、数年前にZelus Analytics社と契約を結び、同社の最先端の分析プラットフォームを活用することで運営を行っていた。これは自球団向けの独占的な分析サービスだったと球団は考えていたが、Zelus社は同様の分析モデル・プラットフォームを他球団にも提供しようとしたということで、フィリーズ側が訴訟するにいたったのだ。

この争いからわかるように、データ分析を他社に依頼して行うことに関してはいくつか潜在的なリスクが存在する。他球団と同じような分析を受けることでの優位性を失う可能性、そして独自のアルゴリズム等の知的財産がどこに所属するかが不明確ということだ。これらをクリアにした契約を結ばなければ、今後もフィリーズ同様の訴訟が発生してしまうことも十分考えられる。

現在、MLB全体では「データ分析企業との契約内容や提供物の独占性」に関する明確なルールは存在していない。公式サイトなどでも詳細なデータを公表しているMLBだが、今後もデータ分析が主流になっていくであろうこの段階で、データの知的財産権などのビジネス的な側面に関しても深く考える段階にきているのかもしれない。

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