
世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)がYouTubeチャンネル「格闘キャスト」に出演。来春に計画されるドリームマッチ「井上尚弥 vs. 中谷潤人」について言及した。
◆42歳ドネア「日本のチャンピオン達と戦いたい」 今後の“大胆プラン”を明かすも、ベルト争奪戦には「もう少し時間が必要だ」
■ドネアが井上の2度のダウンを考察
5月に米国・ラスベガスで開催された井上のラモン・カルデナス戦を現地観戦したというドネアは、「井上選手は非常にパワフルだが『慢心』が彼の弱点になるかもしれない」とし、「中谷選手もとても素晴らしいファイターなので、これからもっと成長し続ける必要がある」と私見を語った。
井上がカルデナスからダウンを奪われた際は「井上選手が相手を少し甘く見ていたように見えた」と指摘。ダウン後から「彼は自身のボクシング能力を使い始めた」とし、「できるだけ早く倒そうとして、パンチをもらってしまった」と分析した。
一方で、ルイス・ネリ戦でのダウンは「ネリ選手がサウスポーだったから」と主張。ドネアは「これは井上選手にとっての課題だと思う。なぜなら中谷選手も強いサウスポーで身長も高い」とサウスポーとの経験不足を指摘。さらに「井上選手にとって、中谷選手は天敵かもしれない」とし「成長し続けることが一番の対策」だとした。
■9月のアフマダリエフ戦は「井上にとっていいテスト」
中谷戦については「二人ともパワーがあるので、とてもタフな試合になると思う」と語ったドネア。両者ともKOするパワーがあるとし、「非常に注意深く、警戒しなければならない」と瞬き厳禁の試合にあると予想した。
試合展開では両者の身長差に注目。インファイトなら中谷が苦戦するだろうし、距離があれば中谷がもの凄いパワーを発揮するとし、試合は「井上選手の戦い方次第」だとした。
奇しくも、井上が9月に対戦するWBA同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)はサウスポー。さらに、アフマダリエフは前戦で井上がダウンを喫したカルデナスと同じトレーナーのもとで練習を積んでいる。
ドネアは「とても興味深いね」とし、9月は「井上選手にとっていいテストだ」と中谷の前哨戦にも期待を寄せた。
◆井上尚弥に新たな刺客か「1、2年で実現すると思う」 25歳の無敗王者が日本での対戦を希望「日本の大ファンだから試合をできたら最高だよ」
◆中谷潤人、井上尚弥との“ドリームマッチ”は「過程」 対戦要求への心境明かす「気が引き締まった」
◆井上尚弥、中谷潤人に持論「周りが納得する相手と戦って結果を出してほしい」 ドリームマッチには前向き「お互いが勝ち進めば盛り上がる」