
ナ・リーグ西地区首位のドジャースは9日(日本時間10日)、敵地アメリカンファミリー・フィールドでのブルワーズ戦に2-3でサヨナラ負け。今季ワーストの6連敗を喫した。1点リードの最終回には、8回途中から登板のタナー・スコット投手が捕まり同点に。勝利目前で延長戦に突入し、サヨナラ負けの一因を作った。
今季から加入した左腕のスコットは、ここまで43登板で1勝2敗、防御率3.86で守護神としては今ひとつ。特定の場面でリードを保てなかった救援失敗「Blown Save(ブロウンセーブ)」は、リーグワーストの6回を数えている。
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■鳴り物入りで入団するも……
現在30歳のスコットは、昨季マーリンズとパドレスの2球団で計72試合に登板、9勝6敗22セーブ、防御率1.75の好成績を残した。平均97.0マイル(約156.1キロ)前後の高回転フォーシームと、鋭いスライダーの2球種で打者を牛耳るグラウンドボールピッチャーで、昨季は対左打者の被打率.132、被本塁打なしと圧巻の投球を見せた。
鳴り物入りでドジャースに加入したが、今季は救援失敗が重なっている。厳しい局面での登板が多いものの、「Blown Save」はすでに6回にのぼっており、得意だった左打者からも3被弾と振るわない。
■状況別成績にも顕著な変化
米データサイト『Baseball Reference』で状況別成績を掘り下げると、もっとも重要度の高い場面を示す「High Leverage(ハイレバレッジ)」で今季は被打率.296、被OPS.827を記録。昨季の被打率.185、被OPS.578から大幅に成績が悪化した。年間10試合以上登板したシーズンでは自身ワーストとなっている。
投手は通常3割前後に収束すると言われるインプレー打率「BABIP(Batting Average on Balls in Play)」が、今季のスコットは.353と高く、不運な側面も見受けられるが、期待通りの働きからは程遠い。後半戦へ向けてテコ入れに動くのか、ドジャースフロント陣の今後にも注目が集まっている。
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