
先日発表された、現時点までのサイ・ヤング賞レースランキング。ナ・リーグでは4位にドジャースの山本由伸投手がランクインしており、日本人初のサイ・ヤング賞受賞に向けて期待が高まる内容となっている。
そして、ア・リーグは昨年大ブレイクを果たし今季もここまで絶好調な左腕、タイガースのタリク・スクーバル投手が1位にランクイン。その他、ギャレット・クロシェ投手(レッドソックス)、マックス・フリード投手(ヤンキース)なども名を連ねている中で注目したいのが、2位にランクインしたアストロズのハンター・ブラウン投手だ。
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■4シームのキレは抜群、圧巻投球でキャリアハイは確実か
2019年に全体166位でアストロズに入団したブラウン。2022年の9月にメジャーデビュー後、23年24年と2年連続で11勝をあげた期待の26歳は、今季ここまで18試合に登板し9勝3敗、防御率2.21、129奪三振、WHIP0.94と圧巻のピッチングでキャリアハイ更新が確実であろう成績と圧巻のピッチングを披露している。
そんなブラウンの強みといえば、4シームのキレにある。平均球速96.9マイルの4シームは今季ここまで被打率.122と最強の武器となっている。
「アクティブ・スピン率(Active Spin Rate)」も95%と非常に高い数値となっており、スピン効率のいい浮き上がるような速球が打者を翻弄しているのだろう。さらに、昨年よりも使用頻度が大幅にあがったシンカーが投球の幅を大きく広げている。平均96.1マイルと、4シームとさほどかわらないながらも沈んでいくシンカーを投げることで、ゴロで打ち取りたい時にはシンカー、空振りを取りたい時には4シームと実に効果的な投げ分けができているようだ。
今季は4シーム35.8%、シンカー23.9%と投球の半分以上を速球系で構成している中で、昨年まではカットボールを多く投げていたブラウンだが今季は激減。その代わりに、決め球として使用しているのがナックルカーブだ。17.6%という割合で投げ込まれるこのボールは、被打率.164、空振り率40%と非常に効果的に作用している。
昨年の投手三冠&満票サイ・ヤング賞受賞のスクーバルがア・リーグのサイ・ヤングレースを牽引しているのは間違いないが、そんな絶対的存在のスクーバルに肉薄している存在のブラウン。後半戦の出来次第では、デビュー4年目の26歳右腕がサプライズで投手最大の栄誉を手にする可能性もあるだろう。
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