
“ミッドサマー・クラシック“を終え、後半戦に突入したMLB。ナ・リーグ西地区は依然としてドジャースが首位を走るが、前半戦終盤から戦況が大きく変わり始めている。
7連敗して折り返した後、後半戦でも2勝4敗と勢いに乗れないドジャースは、大谷翔平投手が5試合連続本塁打を放つなど孤軍奮闘しているものの、ムーキー・ベッツ内野手の不振を始めとして打撃陣も波に乗れていない。さらに深刻なのが投手陣だろう。大谷もオープナー的に先発登板を開始した他、タイラー・グラスノー投手も復帰、ブレイク・スネル投手も近々復帰が予定されるなど先発の枚数が揃いはじめてはいるが、問題なのが中継ぎ陣。怪我人が続出していることに加え、登板過多の投手が増えているのだ。
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■離脱者続出でブルペンに不安発生
今シーズンに入ってから負傷者リスト(IL)入りし、現時点で復帰していない中継ぎ陣が、マイケル・コペック投手、エヴァン・フィリップス投手、ブレイク・トライネン投手、タナー・スコット投手。昨年のワールドシリーズ制覇に貢献したメンバーに加え、オフにFAで加えたスコットと活躍してほしい中継ぎ陣が軒並み離脱している状態だ。
そして、現在稼働している中継ぎ陣の登板数を見ると、アレックス・べシア投手が48登板、アンソニー・バンダ投手が47登板、ジャック・ドレイヤー投手が39登板、カービー・イエイツ投手が38登板、ベン・カスペリアス投手が30登板と続いている。離脱中のスコットも47登板。ここまで103試合を消化している中で、ベシア、バンダ、スコットは約半分ほどの試合で投げていることになっており、登板過多だと言えるだろう。
選手名 | 防御率 | 登板 | 勝利 | 敗戦 | ホールド | セーブ | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アレックス・ベシア | 2.59 | 48 | 2 | 0 | 18 | 3 | 41.2 | 57 | 0.94 |
アンソニー・バンダ | 3.83 | 47 | 5 | 1 | 5 | 0 | 44.2 | 38 | 1.30 |
タナー・スコット | 4.14 | 47 | 1 | 2 | 8 | 1 | 45.2 | 50 | 1.16 |
ジャック・ドレーヤー | 2.98 | 39 | 2 | 2 | 8 | 0 | 51.1 | 50 | 1.11 |
カービー・イェイツ | 4.45 | 38 | 4 | 3 | 1 | 3 | 30.1 | 43 | 1.32 |
ベン・カスペリアス | 5.06 | 30 | 7 | 4 | 8 | 0 | 46.0 | 38 | 1.28 |
シーズン途中にはアレクシス・ディアス投手、ウィル・クライン投手を緊急トレードで獲得するなど必死のやりくりが続いているが、ポストシーズン進出向け現在のブルペン事情では心許ないのが実際のところ。スコットの代役として指名されたイエーツも、24日のツインズ戦では3連続四球を与え1死もとれずに降板するなど不安定な状態であり、試合終盤を安心して託せる存在はバンダ、ベシアの2人だけと言えるかもしれない。
打撃陣に関しても不振のレギュラー陣に加え、マックス・マンシー内野手、エンリケ・ヘルナンデス内野手の故障が重なっているが、トレードデッドラインに向けては、やはり中継ぎと抑えの投手獲得が必須だろう。各ディビジョンで接戦が続き、まだ売り手と買い手が確定していない現状ではあるが、オリオールズのフェリックス・バティスタ投手、カージナルスのライアン・ヘルズリー投手など下位に低迷するチームの絶対的守護神を獲得するのでは?といった様々な噂が流れている。
選手名 | 防御率 | 登板 | 勝利 | 敗戦 | ホールド | セーブ | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
フェリックス・バティスタ(BAL) | 2.60 | 35 | 1 | 1 | 0 | 19 | 34.2 | 50 | 1.13 |
ライアン・ヘルズリー(STL) | 3.18 | 35 | 3 | 1 | 0 | 19 | 34 | 37 | 1.41 |
しかしながら、実績十分な守護神を獲得する場合ドジャースもそれ相応の代償を払う必要がある。トレードのパッケージの中には、ジェームズ・アウトマン外野手、ダルトン・ラッシング捕手、ダスティン・メイ投手といった馴染みの名前も上がってきているが、チームは一体どのような決断を下すのか?期限の7月末まで目が離せない状況が続いていく。
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