
14日から北海道の御前水ゴルフ倶楽部で、ISPS HANDA 夏に爆発どれだけバーディー取れるんだトーナメントが開催される。
注目は今季現時点(8月3日時点)で賞金ランキング11位につけている堀川未来夢。
大会名にあるバーディを多くとる選手というのは、飛距離が出てより短いクラブでパーオンを狙える選手、というイメージを持たれがち。
堀川はそれに該当しないが、パーオンを狙うショットや、ショートゲームの精度を武器にバーディ率3位である。
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■バーディ率3位
両肩と両腕のラインで形成される三角形を、終始キープする意識が表れているスイングから放たれるショットの精度が高い。フェアウェイキープ率が27位でパーオン率が4位だ。
パーオンホールの平均パット数が4位、1ラウンドあたりの平均パット数が16位と、パットの安定感も高い。
パーキープ率が6位、リカバリー率が22位というところを見ると、パットだけでなくショートアプローチの精度も高いことがうかがえる。
結果、オールアラウンドランキングが9位、平均ストロークが4位となっている。
■ドライビングディスタンス101位
規定ラウンド数に達している選手は116名で、堀川のドライビングディスタンスは101位。
高いパーオン率のためには、ドライバーショットの飛距離にハンデがあり、長めのクラブでパーオンを狙わざるを得ない選手は不利である。
しかしそんな中、堀川はパーオン率が4位。
ドライビングディスタンス下位20名の中で堀川の次に高いパーオン率を出しているのは、17位の、日本オープン2勝を含む通算5勝をあげている稲森佑貴。
パーオン率上位50名の中に、ドライビングディスタンス上位20名に入っている選手は11名いるが、ドライビングディスタンス下位20名の中には6名しか上位50名に入っていない。
ドライビングディスタンス上位20名と下位20名のパーオン率の中央値を算出した。すると、上位20名の中央値の順位は45位で、下位20名の中央値の順位は64位となった。
これらは、堀川のパーオンを狙うショットの安定感を際立たせていると言えるのではないだろうか。

ドライビングディスタンス上位20名のパーオン率順位

ドライビングディスタンス下位20名のパーオン率順位
■今季予選落ちなし
今季これまでの日本ツアー9戦に出場して予選落ちは無く、30位タイが最も悪い成績。最近4戦は2位、9位タイ、9位タイ、11位タイだ。
また、アジアンツアーに2戦出場した堀川。2月にニュージーランドで開催された大会は予選落ちだったが、5月に日本で開催された大会は9位タイに入った。
堀川は崩れる気配がないプレーを続けている。北海道2連戦でも安定感抜群のプレーを見せるはずだ。
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著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家
各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。