
5月から右肩のインピンジメント症候群で負傷者リスト(IL)に入っているドジャースの佐々木朗希投手。14日(日本時間15日)、傘下3Aオクラホマシティーの一員としてアルバカーキ戦に先発した。結果は2回0/3で6安打3失点1四球と苦戦し、米メディアからは今後に向けて悲観的な評価が並んだ。
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■空振り奪えず、制球も定まらず
軽いキャッチボールから始まり、ブルペン投球、3度のライブBPなどの過程を経て、97日ぶりの実戦マウンドに立った佐々木。しかし、マイナーリーグの打者に打ち込まれ、予定していた3回を投げ切れずに降板した。
この投球に対し、米複数メディアから懸念の声が挙がった。特に問題視されたのは、ストレートの球速低下。合計41球を投げ、最速は95.7マイル(約154キロ)を計測したものの、ほとんどのボールが93~94マイルの間にとどまった。
米地元メディア『Dodgers Way』は、「ササキの速球は先日のライブBP(実戦形式の練習)では96〜97マイルほど出ていたが、今回のリハビリ登板では力をセーブしていたのか、あるいは再び調子を崩しているのか。空振りを奪えず、奪三振もゼロだったことは不安を募らせる材料であり、制球も明らかに定まっていなかった」と指摘した。
そして「現在のリハビリでは5回75球という目標に向かって練習をしているが、この日のような調子が続けば、チームは彼を急いで呼び戻すことはないだろう」とし、ポストシーズンどころかレギュラーシーズンでの出場機会も期待できないとした。
■「ほぼ最悪の結果となった」
米メディア『FANSIDED』も同様に辛辣だった。「3カ月以上の離脱を経て、ようやくマウンドに戻ったものの、その内容はIL入り前と同じくらい悪いものに見える」とし、「初のリハビリ登板は、ほぼ最悪の結果になった」とバッサリ。
続けて「マイナーリーグでの数字自体に大きな意味はないとはいえ、速球が93〜94マイル程度まで落ちていたのは不安材料だ。さらに言えば、3Aの打者から空振りをほとんど奪えず、三振が1つもなかったことはメジャーのマウンド復帰にとっていい兆しとは言えない」と記した。
また、同メディアは「ドジャースは、ササキが今季のチームの助けになるか気にするより、そもそも彼がメジャーの先発投手として成功できるのか、そして、それがいつになるのか心配すべき時に来ている」とし、通用するのかどうか根本に疑問を投げかけた。
どのメディアも久々の実戦ということを考慮しつつ、それでも厳しい言葉を並べた。米データサイト『ピッチ・プロファイラー』も登板後、公式Xで佐々木の投球内容の詳細を公開。良かった点として「悪魔的スプリットが戻ってきた」と記すも、悪かった点として「球速が低下し、空振りが依然奪えていない」と課題を挙げた。
あくまで重要なのはフォーシームの球速回復。ここをクリアしない限り、完全復活には至らない可能性がある。
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