
シーズンもいよいよ終盤にさしかかったMLB。ア・リーグ、ナ・リーグともにポストシーズン進出争いが非常に熱い展開となっている。
MLBのポストシーズンは、日本のプロ野球とは少々性質が異なる。ワイルドカードの基本的な条件なども振り返りながら、ナ・リーグの上位争いに迫りたい。
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■ポストシーズン進出は6チーム
まず、ポストシーズンに進出できるのは各リーグ6チーム。各地区の優勝チーム3つに加え、この3チーム以外の中で年間の勝率が上位3位までのチームがワイルドカードとして加わる。初戦となるワイルドカードシリーズは、ワイルドカード1位対2位、そして地区優勝した3チームの中で勝率が一番低いチーム対ワイルドカード3位となる。
その後、ディビジョンシリーズ(地区シリーズ)、リーグチャンピオンシップシリーズ(リーグ優勝決定シリーズ)と続き、リーグ優勝が決まった後に、ワールドシリーズといった流れになるのだ。ワイルドカードをスキップしてディビジョンシリーズから参戦するシードを得るためには、地区優勝だけではなく、リーグ勝率も2位以内に入ることが条件になるが、現在ナ・リーグのワイルドカード争いが非常に混戦となっている。
■パドレス猛追で西地区は混沌
まず、各地区の優勝争いだが東地区のフィリーズ、中地区のブルワーズは一歩抜けたかたち。特にブルワーズはリーグ全体トップの勝率.619となっており、ほぼ間違いないだろう。問題は西地区。パドレスとドジャースが熾烈な争いを繰り広げており、どちらが優勝するかはわからない状態となっている。また、現状を踏まえるのであれば西地区のドジャース、パドレスのいずれかが勝率3位となり、地区優勝ながらワイルドカードのチームと戦うことになる可能性が高い。
ドジャースは2位と最大9ゲーム差があったものの、故障者が続出した関係で後半戦に苦戦を強いられている一方で、トレードで大補強を敢行したパドレスの勢いは凄まじい。特にメイソン・ミラー投手を加えたブルペン陣は非常に強固なものとなっており、エイドリアン・モレホン投手、ジェイソン・アダム投手、ロベルト・スアレス投手らが躍動する中、先発投手が試合を作りさえすれば盤石の体制で勝利を手にできそうだ。夏のトレードデッドラインで積極的に動いたパドレスと、消極的だったドジャース。今後両チームの命運を分けることとなるかもしれない。
■カブス、メッツもポストシーズン射程圏内
パドレスを除く、リーグ2位以下でワイルドカードを争うチームの動向もみていこう。まず、一歩抜けているのが中地区2位のカブスだ。勝率では西地区1位のドジャースに肉薄する.571を記録していることからも、球団新記録14連勝を飾った1位のブルワーズが圧倒的すぎるということがわかる。MVP候補の一角とされていたピート・クロウ=アームストロング外野手、前半戦では一時打点王に輝いていた鈴木誠也外野手ら打撃陣の大失速がありながらも、8月は13勝12敗と5割をキープしている。
そして、もうひとつのチームが東地区2位、千賀滉大投手が所属するメッツだ。現在勝率.541となっており、ワイルドカードを争う中では最も危ない位置にいる。しかしながら、トレードデッドラインでは積極的な姿勢をみせ、タイラー・ロジャース投手、ライアン・ヘルズリー投手、グレゴリー・ソト投手といった強力なブルペン補強を実施。首位フィリーズは、今季10勝のザック・ウィーラー投手が手術のため今季絶望となっており、4ゲーム差からの逆転優勝もまだ現実的ラインだ。
その他、中地区レッズが.507で4位につけているが、5位ジャイアンツ以降は勝率5割を切っており巻き返しが厳しいと考えられる。いずれにせよ、日本人選手が所属するチーム同士の熱い戦いがみられるのは間違いない。各地区の優勝争いと並行して、より加熱するワイルドカード争いにも注目しながら、終盤のMLBを楽しんでみてはいかがだろうか。
■8/28時点でのナ・リーグワイルドカード争い
1位 カブス 勝率.5712位 パドレス 勝率.5603位 メッツ 勝率.5414位 レッズ 勝率.5075位 ジャイアンツ 勝率.4896位 ダイヤモンドバックス 勝率.4856位 カージナルス 勝率.485
※順位、勝率は8/28時点
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