
MLB機構は23日(日本時間24日)、ストライクやボールを自動判定するシステム「ABS」、通称「ロボット審判」を来季から導入すると発表した。メジャーの公式戦で使用されるのは初めてで、オープン戦からポストシーズンまで全試合で運用される。マイナーでは2022年から試験運用されており、その結果を受けて正式にGOサインが出た。
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■「チャレンジ」で判定訂正も
ボール・ストライクの判定に関するルール変更は以下の通り。まず、試合はこれまで通り球審がボール・ストライクを判定する。しかし、来季からは球審のジャッジに不服が生じた場合、判定の検証・訂正を求めて「チャレンジ」を要求することが可能になる。
「チャレンジ」を要求できるのは、投手と捕手、打者に限られ、判定に疑問を持ったらすぐに帽子またはヘルメットを叩くことで「チャレンジ」をアピールできる。その後は高精度のトラッキングシステムが投球を分析、その結果(正誤)が球審に伝えられる。
各チームは1試合に2度チャレンジする権利が与えられ、成功すれば回数は減らないという仕組みになっている。
今回のルール変更を選手はどう受け止めているのか。ドジャースのベン・ロートベットは米専門番組『ファウル・テリトリー』に出演し、捕手の立場から「今回の決定によって際どいプレーの価値がより高まると思う。今後はブロッキング(投手のボールを後ろにそらさない技術)などが間違いなく重要視されることになるだろう。送球や配球という能力についても、その評価が上がると思う」と感想を述べた。
■捕手に求められる総合力
「ロボット審判」の導入により、ボール・ストライクの誤審は減少する。そのため、球審の目を“あざむき”、際どいボールをストライクに見せるフレーミングは意味をもたなくなる。つまり、ロートベットは今後捕手に求められる技術として「総合的な守備力(捕球、スローイング、配球など)」を挙げた形だ。
ロブ・マンフレット・コミッショナーは、今回の決定について「選手たちがすべての投球をテクノロジーで判定する方式よりもチャレンジ方式を強く支持したことが、今回のルール変更を決定する上での重要な要因となりました。試合の重要な場面で誤審を訂正できる能力を持ちながら、審判が果たす不可欠な役割を守り、さらに試合のテンポやリズムも維持するという、絶妙なバランスを実現しました。(検討を続けてきた)合同協議委員会の努力を称賛します」という声明を発表した。
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