
「第28回 ITTF-ATTUアジア卓球選手権大会 2025」は15日、女子団体の決勝が行われ、日本は中国と対戦。マッチカウント0-3で敗れ、銀メダルとなった。
中国の母国メディアは、サウスポー対決を制して金メダルに導いた21歳の活躍を称えている。
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■大一番での抜擢に応える
2大会連続の金メダルを目指した日本は、中澤鋭監督のもと、橋本帆乃香(デンソーポラリス)を1番手に抜擢し、張本美和(木下グループ)、早田ひな(日本生命)の布陣で挑んだ。橋本は王曼昱、張本美は孫穎莎と、中国が誇るトップ2を相手に奮闘したものの、1-3、0-3でそれぞれ敗れ、最後は早田に託された。
日本のサウスポーエース・早田に立ちはだかったのは蒯曼。今季の活躍で世界4位に躍進した21歳が、大舞台で起用された。早田は鋭い出足を見せて第1ゲームを奪ったが、光ったのは蒯曼の冷静な対応だった。サービスを変化させるなど、試合中の早田の修正にも的確なレシーブで応戦し、フォアで振り切る場面も見られた。蒯曼が3ゲームを奪い返し、中国を金メダルに導いた。

蒯曼(C)ITTF
現地メディア『捜狐』は、殊勲の21歳を称賛しており、「蒯曼が早田ひなを3-1で逆転し、中国女子がアジアの頂点に返り咲いた」と題した記事で、蒯曼の活躍に言及。「中国代表のコーチ陣が彼女の実力を認め、信頼している証と言える。まだ21歳だが、彼女は目覚ましい活躍で世界ランキングを4位まで上げ、女子シングルスのトップ選手としての地位を固めた」と、大一番での起用につながった背景を伝えている。
中国は、東京、パリ両五輪のシングルスを連覇した陳夢が第一線を退いており、ロサンゼルス五輪に向けては若手の台頭が求められている。そんな中、貴重なサウスポーとして国際大会で実績を積んだ蒯曼が、中国を再びアジアの頂点に導いた。
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