
卓球の「WTTチャンピオンズ・モンペリエ」は28日、女子シングルスの1回戦が行われ、世界ランキング3位で第1シードの陳幸同(中国)は、同19位のベルナデッテ・スッチ(ルーマニア)と対戦。ゲームカウント0-3で敗れ、初戦敗退となった。
優勝候補と目されていた中国選手の敗退は、驚きをもって伝えられており、今大会の上位争いに影響を及ぼす可能性が出てきた。
◆女子単の“敗退ラッシュ”で優勝争いは大混戦 張本美和は準々決勝が山場に 橋本帆乃香も上位進出のチャンス
■ルーマニア・スッチが会心勝利
今回、世界1位の孫穎莎、2位の王曼昱がエントリーしておらず、陳幸同は第1シードとして大会に臨んだ。そんな中国の実力者の前に立ちはだかったのが、ルーマニアのエース・スッチだった。
スッチは第1ゲーム中盤にリードを奪い、11-7で先取。続く第2ゲームはデュースにもつれ込む接戦となったが、これを制して王手をかけた。第3ゲームではスッチが一方的な展開に持ち込み、11-2で圧倒。ストレート勝ちで波乱を起こした。
WTT公式サイトは「モンペリエで衝撃スタート、ベルナデッテ・スッチがトップシードを破る」と見出しを打ち、この初戦での番狂わせを伝えた。スッチは試合後、「昨夜、彼女との過去の試合を見ました。彼女に勝つのは初めてではありませんでしたが、また勝てると信じていたので、本当に嬉しい」と語り、「第1シードの選手に勝ったばかりなので自信がつきました。次の試合にも期待しています」と意気込んだ。

ベルナデッテ・スッチ(C)WTT
本命とされていた陳幸同が姿を消したことで、優勝争いは一気に混戦模様に。第5シードの張本美和(木下グループ)は前週の「WTTスターコンテンダー・ロンドン」を制しており、好調を維持。また、28日に初戦を突破した橋本帆乃香(デンソーポラリス)、29日に世界5位の王芸迪(中国)と対戦予定の早田ひな(日本生命)、昨年の大会を制した大藤沙月(ミキハウス)らも控えており、日本勢が上位に名を連ねる可能性は高まっている。
初日から波乱の展開で幕を開けたモンペリエでの戦い。本命不在となった今、日本選手が優勝争いに絡めるか注目される。
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