
ワールドシリーズ(WS)連覇を目指すドジャースは31日(日本時間11月1日)、敵地トロントで行われるブルージェイズとのWS第6戦に臨む。
ドジャースは4戦先勝の同シリーズで2勝3敗と崖っぷちに追い込まれた。勝負の第6戦の先発は山本由伸投手。MLB公式サイトのソニア・チェン記者は「最も重要な瞬間に最も力を発揮する傾向がある」と山本を分析し、山本の覚悟と根性がWSを勝ち抜く鍵になる可能性を指摘した。
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■PS2試合連続完投の山本に期待
山本は31日(同11月1日)に最大の正念場であるWS第6戦に先発する。山本は29日(同30日)の試合後に会見を行い「とにかく勝つだけ。目の前の試合に集中していつも通りにプレーしたい」と意気込みを語った。
今季のポストシーズンでは、14日(同15日)に行われたブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第2戦で9回111球を投げて3安打7奪三振1失点の力投でメジャー初完投をマーク。25日(同26日)のWS第2戦でも105球を投げて4安打8奪三振1失点の熱投を見せた。
MLB公式サイトのチェン記者は「野球界は、ドジャースが(山本に)投手としては最高額となる3億2500万ドル(約480億5000万円)を支払った理由を理解し始めた」と報道。負けたら終わりの第6戦でも「彼はプレッシャーに屈することなく、最も重要な瞬間に最も力を発揮する傾向がある」と期待感を記した。
■「延長18回の試合に匹敵するほどにスペクタクル」
さらに、延長18回まで続いた27日(同28日)のWS第3戦にも言及。中1日という厳しい状況の中ブルペンで投球練習を行った山本について「延長18回の試合に匹敵するほどにスペクタクルだった」とし「伝説」だと絶賛。
同戦でサヨナラ本塁打を放ったフレディ・フリーマン内野手の「彼は野球の試合に勝つためなら何でもするんだ」という言葉を引用し「ヤマモトは結局この試合で1球も投げなかったにもかかわらず、PSの伝説はその夜さらに深まった」と山本へのリスペクトを綴った。
試合後には監督やチームメートらが山本に駆け寄り祝福。山本の献身的な姿勢や覚悟について惜しみない賛辞が送られた。
■「(山本の)根性がシーズンを勝ち抜く鍵となる」
山本がWS第6戦で完投した場合、PSでの3試合連続完投はルイス・ティアント(1975年)、オーレル・ハーシュハイザー(1988年)、カート・シリング(2001年)に次ぐ4人目の快挙となる。
チェン記者は現代の野球では1試合完投することも稀だと難易度の違いを強調し、「3回連続というのは、現代ではまったく未知の領域だ」と記した。
さらに「山本は3連続完投を目指したいと思っているかもしれないが、苦戦している打線とリリーフ陣が彼の支えにならなければならない」と不振のドジャースナインに奮起を促し「負けの許されないドジャースにとってその(山本の)発揮する根性がシーズンを勝ち抜く鍵となるかもしれない」とした。
山本は直近2連敗の流れを断ち切り、チームを第7戦へと繋げるか。注目の一戦となる。
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