
レンジャーズは21日(日本時間22日)、通算141本塁打のアドリス・ガルシア外野手について、「ノンテンダー」にしたと発表。同外野手はフリーエージェント(FA)となり、レンジャーズを含む全球団との交渉が可能となった。外野手補強を目指すドジャースが獲得に乗り出すかどうかも焦点となっている。
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■ガルシアが「ノンテンダー」
各球団は保有権を持つ選手に対し、同日までに来季の契約における条件提示を行う必要があった。しかし、その期限を迎えても、レンジャーズはガルシアに条件を提示せず、同選手との契約意思がないことを示した。
これは「ノンテンダー」と呼ばれるもので、パフォーマンスが契約内容に見合わなくなった選手や、控え選手が対象となるケースが多い。「ノンテンダー」となった選手はFAとなり、移籍先を自由に探すことができる。
米メディアによると、ガルシアの来季年俸は1210万ドル(約18億9200万円)と予想されていたが、レンジャーズは大幅な給与削減を打ち出しており、その一環として“リストラ”される形となった。
キューバ出身のガルシアは、国内リーグを経て2016年に巨人に入団。1軍出場わずか4試合で、8月に契約解除となった。その後、亡命を希望し米国へ。18年にメジャーデビューを果たすと、やがて才能が開花。21年に31本塁打、22年にも27本塁打を記録した。
そして、23年には大谷翔平投手(当時エンゼルス)と本塁打王争いを展開し、リーグ2位となる39本塁打を放った。また、この年はポストシーズンでも活躍し、ア・リーグ優勝決定シリーズではMVPを受賞。ワールドシリーズ制覇の原動力となった。しかし、24、25年は低迷。成績が下降しており、今回の「ノンテンダー」につながった。
■守備面ではグレードアップ
今回の発表を受けて、米地元メディア『ドジャース・ネーション』は、「レンジャーズがオールスター外野手をノンテンダーにしたが、ドジャースは獲得に動くべきか」と題し、記事を公開。今オフでの外野手補強を目指すドジャースが、過去2度の球宴選出を誇る32歳を迎えいれるかどうか、考察した。
「かつてゴールドグラブ賞を受賞したガルシアは、今季も守備指標で平均以上の成績を維持している。これはマイケル・コンフォートやテオスカー・ヘルナンデスが見せていた守備からすると、大幅なグレードアップとなる」と評価。ただ、「ポストシーズンに向けて調子を上げていく長距離砲という役割は満たすものの、チームにとって一番フィットする選手とまでは言えないだろう。しかし、ブルペンと並んで今オフの補強ポイントを埋めるために、ドジャースは慎重に検討を進めるはずだ」とした。
カイル・タッカー外野手やコディ・ベリンジャー外野手のようなFA市場の大物獲得には、長期契約が必要だが、ドジャースはその提示は控えるとされている。若手有望株が育つまでの1~2年間、その空白を埋めてくれる選手ということであれば、ガルシアの線はあるかもしれない。
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