
ブルージェイズは26日(日本時間27日)、パドレスからフリーエージェント(FA)となっていた先発右腕ディラン・シース投手の獲得に成功した。7年総額2億1000万ドル(約328億円)という大型契約だが、これがドジャースにとって追い風になるという。米メディア『Athlon Sports』が指摘した。
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■米メディアが指摘した2つの理由
今季のシースは32試合に先発して8勝12敗、防御率4.55。パドレスのエース格としては、やや物足りない成績に終わった。それでも5シーズン連続で165イニング以上を投げ、常に200奪三振以上をマーク。2024年7月にはナショナルズ相手にノーヒッターを達成した剛腕でもある。
そんなタフネス右腕の移籍が、ワールドシリーズ3連覇を狙うドジャースにとって追い風になると『Athlon Sports』が伝えた。
その1つ目の理由は、単純にライバルの戦力低下。シースが在籍していたパドレスは、ナ・リーグ西地区に所属し、ドジャースと常に覇権を争っている。しかし今回、そのチームからエース格がア・リーグに去った。ドジャースはナ・リーグ西地区で4連覇中だが、パドレスの弱体化により、現時点で5連覇の可能性がさらに高まったと予想した。
■スター選手の総獲りは困難に
追い風となる2つ目の理由は、移籍市場においてドジャースが優位に立てるというもの。今回のワールドシリーズで、ドジャースをあと一歩まで追いつめたブルージェイズだが、“チームの顔”であるボー・ビシェット内野手が今オフにFAとなり、流出危機に直面。引き留めるためには大型契約が必須と言われている。さらにチームはFA市場の超目玉、カイル・タッカー外野手の獲得にも乗り出しているようで、ビシェット同様に大型契約を提示する必要がある。
しかし、この日シースに2億1000万ドルを投じることが決定。その上でビシェットと再契約し、タッカーも手に入れることを目指せば、かなりの予算が必要となる。
そのため、『Athlon Sports』は「トロントがシースに2億1000万ドルを投じたことで、FA市場で他の選手を追う際、予算面で柔軟性を失う可能性が出てきた。ドジャースもビシェットとタッカー両選手と結び付いており、もちろんブルージェイズも依然として市場では存在感を保っている。ただ、ブルージェイズが、ロサンゼルスに対して入札で上回ることができるかどうか。その力は、今回のシースとの契約によって低下したかもしれない」と伝えた。
ブルージェイズはシースを獲得した上で、スター選手の争奪戦でドジャースと張り合うだけの体力が残されているのか。ワールドシリーズで激突した両チームが、ストーブリーグでも火花を散らすことになりそうだ。
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