
メジャーリーグの球団幹部や代理人らが一堂に会するオフシーズン最大のイベント「ウインターミーティング」も終わり、フリーエージェント(FA)やトレード交渉などがいくつも進展。大物選手の移籍が多数報じられた。
ここでは、今オフにFAとなった中から有力選手をピックアップ。獲得候補の球団や移籍先などをまとめた。※情報は随時追加更新予定
目次|2025年の有力FA選手一覧、移籍先まとめ
捕手J.T.リアルミュート投手今井達也フランバー・バルデス【移籍】エドウィン・ディアス(メッツ→ドジャース)【移籍】ディラン・シース(パドレス→ブルージェイズ)【残留】今永昇太(カブス)【移籍】ロベルト・スアレス(パドレス→ブレーブス)内野手ボー・ビシェット【移籍】ピート・アロンソ(メッツ→オリオールズ)【移籍】村上宗隆(ヤクルト→ホワイトソックス)【残留】ジョシュ・ネイラー(マリナーズ)【移籍】ホルヘ・ポランコ(マリナーズ→メッツ)エウヘニオ・スアレス岡本和真アレックス・ブレグマンルイス・アラエズ外野手カイル・タッカー【残留】カイル・シュワーバー(フィリーズ)コディ・ベリンジャー■捕手
J.T.リアルミュート
メジャー12年目 今季成績:134試合/打率.257/12本塁打/52打点/出塁率.315/OPS.699 メジャートップの強肩 11年連続2桁本塁打を誇るベテラン捕手34歳を迎えたベテランだが、球界屈指の強肩は健在。今季二塁への平均ポップタイム「1.86秒」は堂々のメジャートップ。フレーミングの指標が悪く、ブロッキングでもマイナスと守備の評価は下降気味だが、11年連続で2桁本塁打を記録するなど打撃面の安定感は十分。大きな故障もなく、FA市場でも確実に需要があるタイプだ。
▼ リアルミュートのハイライト映像(YouTube)
■投手
今井達也
メジャー移籍予定 今季成績:24登板/163.2回/10勝5敗/防御率1.92/178奪三振今オフ最大の注目投手、海を渡る新たな侍戦士
最速160キロのフォーシームとスライダーを軸に、チェンジアップ、スプリット、カーブなど多彩な変化球も操る。獲得にはヤンキースを始め、カブス、ジャイアンツ、ブルージェイズなど多数の球団が参戦。長期の大型契約が見込まれるため、資金力に乏しい球団は獲得が難しいと見られる。
▼ 今井達也のハイライト映像(YouTube)
フランバー・バルデス
メジャー8年目 今季成績:31登板/192回/13勝11敗/防御率3.66/187奪三振リーグトップクラスのグラウンドボーラー
球界屈指の大谷翔平キラー。今季最初の21先発では11勝4敗、防御率2.62を記録したが、最後の10先発では2勝7敗、防御率6.05と失速。被弾直後にサインミスを装って捕手に意図的に投球を当てた疑惑が出るなど、メンタル面でやや課題を抱える左腕だ。
▼ バルデスのハイライト映像(YouTube)
【移籍】エドウィン・ディアス(メッツ→ドジャース)
メジャー10年目 今季成績:62登板/66.1回/6勝3敗28セーブ/防御率1.63/98奪三振2球種で圧倒する現役最高クラスの守護神
今季のナ・リーグ最優秀救援投手賞(トレバー・ホフマン賞)を受賞。ブルペン強化を図るドジャースが3年6900万ドル(約103億5000万円)で獲得。球持ちが良くゴロ率が高いサイドスローで、フォーシームとスライダーの2球種で打者を圧倒する。ティモシー・トランペット氏の曲「Narco」に乗せてマウンドに上がる姿は、MLBでも屈指の名シーンとして知られる。
▼ ディアスのハイライト映像(YouTube)
【移籍】ディラン・シース(パドレス→ブルージェイズ)
メジャー7年目 今季成績:32登板/168回/8勝12敗/防御率4.55/215奪三振リーグ有数のタフネス右腕
7年総額2億1000万ドル(約315億円)でブルージェイズに移籍。今季は8勝12敗で防御率4.55と振るわなかったが、過去5年連続で規定投球回をクリアし、200奪三振をマークするなどタフネスぶりが魅力。平均97.1マイルのフォーシームとスライダーのコンビネーションで打者を翻弄する。
▼ シースのハイライト映像(YouTube)
【残留】今永昇太(カブス)
メジャー2年目 今季成績:25登板/144.2回/9勝8敗/防御率3.73/117奪三振日本が誇る頭脳派ベテラン左腕
カブスが3年延長の球団オプション行使せず、今永側も選手オプションを放棄してFA市場に。その後、2202万5000ドル(約34億円)のクオリファイングオファーを受諾してカブスに残留した。今季は左太ももの負傷で約2カ月離脱するも、制球力は健在。空振り率と三振割合の低下が懸念されている。
▼ 今永昇太のハイライト映像(YouTube)
【移籍】ロベルト・スアレス(パドレス→ブレーブス)
メジャー4年目 今季成績:70登板/69.2回/4勝6敗40セーブ/防御率2.97/76奪三振日本球界も経験した剛腕クローザー
パドレスからFAとなり、ライバル球団ドジャースなども獲得候補となっていたが、ナ・リーグ東地区のブレーブスへ移籍。3年総額4500万ドル(約70億円)の契約を結び、来季はセットアッパーとしての起用が見込まれている。フォーシームの平均球速は98.6マイル。
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■内野手
ボー・ビシェット
メジャー7年目 今季成績:139試合/打率.311/18本塁打/94打点/出塁率.357/OPS.840巧打が武器の2世選手
遊撃手が本職だが守備範囲は狭く、指標は平均を大きく下回る。ワールドシリーズでは初めて二塁手をこなすなど、器用な側面も持ち合わせており、空振りの少ないコンタクト能力も魅力だ。ブルージェイズが残留交渉に前向きで、内野手の高齢化が進むドジャースも獲得候補に名前が挙がっている。
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【移籍】ピート・アロンソ(メッツ→オリオールズ)
メジャー7年目 今季成績:162試合/打率.272/38本塁打/126打点/出塁率.347/OPS..871本塁打競争に命をかける「ポーラーベア」
2019年のデビューイヤーに53本塁打を放ち、本塁打王と新人王をダブル受賞。今季も全162試合に出場するタフネスぶりで、打率.272、38本塁打、126打点をマークした。メッツには残留せず、オリオールズとの5年1億5500万ドル(約240億円)の契約に合意。オールスターの本塁打競争に誰よりも真剣に取り組む。愛称「ポーラーベア(白熊)」
▼ アロンソのハイライト映像(YouTube)
【移籍】村上宗隆(ヤクルト→ホワイトソックス)
メジャー移籍決定 今季成績:56試合/打率.273/22本塁打/47打点/出塁率.379/OPS1.042日本プロ野球が誇る最強スラッガー
現在25歳、ヤクルトでの8年間で通算246本塁打を記録。2022年にはプロ野球史上最年少の若さで三冠王にも輝いた。獲得には、レッドソックスやヤンキースなど多くの球団が興味を示していたが、2年総額3400万ドル(約53億2000万円)でホワイトソックスに入団。3年連続で100敗と不振を極めた弱小球団再建のキーマンに。
▼ 村上宗隆のハイライト映像(YouTube)
【残留】ジョシュ・ネイラー(マリナーズ)
メジャー7年目 今季成績(2チーム):147試合/打率.295/20本塁打/92打点/出塁率.353/OPS.815リーグ屈指の頭脳派内野手
5年総額9250万ドルでマリナーズと再契約。今季のトレード期限でダイヤモンドバックスから加入し、チーム24年ぶりの地区優勝に貢献。コンタクト能力に優れ、守備や走塁でも抜け目のないプレーを見せる野球IQの高さが最大の魅力。走力はメジャー下位クラスも、今季30盗塁を記録。
▼ネイラーのハイライト映像(YouTube)
【移籍】ホルヘ・ポランコ(マリナーズ→メッツ)
メジャー12年目今季成績:138試合/打率.265/26本塁打/78打点/出塁率.326/OPS.821今季「もっとも勝負強かった」男
オフに膝の手術を行い、今季は勝負強い打撃で打線をけん引。ポストシーズンでは剛腕タリク・スクーバルから1試合2本塁打を記録するなど、大舞台での存在感が際立った。『ファングラフス』算出、「High Leverage(ハイレバレッジ)」では全打者トップの「wRC+259」を記録。2年総額4000万ドル(約62億3000万円)でメッツへ移籍。
▼ ポランコのハイライト映像(YouTube)
エウヘニオ・スアレス
メジャー12年目 今季成績(2チーム):159試合/打率.228/49本塁打/118打点/出塁率.298/OPS.824故障に強いタフネススラッガー
今季前半戦、大谷翔平とともにナ・リーグ本塁打王を争った強打の三塁手。トレード期限でア・リーグの古巣マリナーズへ復帰。残留の可能性もあるが、本拠地球場との相性が悪く本来の打撃力が発揮できないケースが散見された。左右の守備範囲は平均以下だが、前方へのチャージには強く、ダイナミックなプレーを見せることもしばしば。岡本和真や村上宗隆など、ライバル候補の動向にも影響を受けそうだ。
▼ スアレスハイライト映像(YouTube)
岡本和真
メジャー移籍予定 今季成績:159試合/打率.327/15本塁打/49打点/出塁率.416/OPS1.014巨人生え抜きの4番がついに海外移籍
プロ野球通算1074試合の出場で、248本塁打を記録。2018年から23年にかけて6年連続で30本塁打以上を放つなど、球界屈指のパンチ力に加えて、高いコンタクト能力も魅力。強打の三塁手及び一塁手を求める球団が獲得候補に挙がっている。
▼ 岡本和真ハイライト映像(YouTube)
アレックス・ブレグマン
メジャー10年目 今季成績:114試合/打率.273/18本塁打/62打点/出塁率.360/OPS.822守備も堅実な空振りをしない巧打者
昨季オフ、レッドソックスと3年契約を結んだが、含まれていたオプトアウト権を行使。再びFA市場に参戦した。今季は右大腿四頭筋の張りで約2カ月離脱。打球速度は平均クラスも、コンタクト能力に優れ、一発を放つパンチ力も持ち合わせている。三塁守備も堅実。タイガースやマリナーズ、カブスらが獲得候補に。レッドソックス残留の可能性もある。
▼ ブレグマンのハイライト映像(YouTube)
ルイス・アラエズ
メジャー7年目 今季成績:154試合/打率.292/8本塁打/61打点/出塁率.327/OPS.719球界最高の安打製造機
2022年から3年連続で首位打者を獲得するも、今季は打率.292に留まった。二塁手から一塁手へと転向したが、守備力は平均を大きく下回る。長打力には乏しく、大型契約は難しいと見られるが、安打を打つ能力は球界でもナンバーワンクラス。屈指のコンタクトヒッターの新天地は、エンゼルスやジャイアンツ、レンジャーズなどがフィットしそうだ。
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■外野手
カイル・タッカー
メジャー8年目 今季成績:136試合/打率.266/22本塁打/73打点/出塁率.377/OPS.841今オフ最大の目玉外野手
今季は薬指と小指の間に亀裂骨折を負ったが、安定した打撃と堅実な外野守備を見せた。28歳という若さも相まって、大型契約が見込まれている。コディ・ベリンジャーがFAとなったヤンキース、球団史上初の連覇を果たしたドジャースなど、多くの球団が獲得を目論む。資金力豊富な球団の争奪戦となっている。
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【残留】カイル・シュワーバー(フィリーズ)
メジャー11年目 今季成績:162試合/打率.240/56本塁打/132打点/出塁率.365/OPS.928 圧倒的な長打力を誇るナ・リーグ2冠王大谷翔平を上回る56本塁打、132打点でナ・リーグ2冠王に。近年は課題の外野守備に就くことはほとんどなく、今季も左翼手としては66イニングの出場に留まった。レッズや古巣レッドソックスなども獲得候補に挙げられたが、5年総額1億5000万ドル(約225億円)でフィリーズ残留。四球率が非常に高く、出塁にも貢献できるスラッガーだ。
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コディ・ベリンジャー
メジャー9年目 今季成績:152試合/打率.272/29本塁打/98打点/出塁率.334/OPS.814 内外野をこなせる強打の最強ユーティリティー外野全ポジションに加え、一塁手もこなせるユーティリティー性を持ち、守備力もリーグ有数。2019年に年間MVPを獲得後、長期に渡って低迷したため大型契約には二の足を踏む球団も多かった。直近3年間では安定した成績を残しており、外野手獲得を目指す球団にとって、タッカーの次に魅力的な存在。残留を目指すヤンキースのほか、メッツやドジャースなども獲得候補に。
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