
今週は阪神競馬場で、第77回朝日杯フューチュリティステークス(GI、芝1600m)が行われる。重賞ウイナー4頭が集結した今年はハイレベルな戦いとなりそうだ。
ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬14頭の全頭診断を行う。
◆【朝日杯フューチュリティステークス2025予想/複勝回収率】好成績は「2人気」と「2枠・5枠」 過去10年データから狙うべき馬券の予想ヒントと好走条件を探る
■朝日杯フューチュリティステークス2025 出走予定馬全頭診断
・アドマイヤクワッズ
新馬戦→デイリー杯2歳Sと連勝中の馬。いずれも次位に0秒3差以上をつける上がり3F最速だからその切れ味は本物だ。リアルスティール産駒の芝重賞における稍重~重の成績【0.1.0.8】から極端に渋った馬場は避けたいところだが、好天に恵まれるようなら大崩れは考えにくい。
・エコロアルバ
前走サウジアラビアRCは大外一気の末脚で快勝。道中から追われる場面があったように追走面に課題を覗かせたが、最後方から2着に0秒3差をつけた脚は異次元だった。東京芝1600m重賞で2着に0秒3差以上をつけた2歳馬の2歳GI成績は【2.1.2.0】。前走をフロック視することはできない。
・カヴァレリッツォ
アドマイヤクワッズとの追い比べに屈した前走デイリー杯2歳S。それでも3着に5馬身差をつけており、道中の無理な押し上げがなければその差は逆転していたかもしれない。産駒の重賞7連対中5連対が直線平坦コースのサートゥルナーリア産駒ゆえ阪神替わりがどうかも、ノーマークは禁物だ。
・カクウチ
開幕週の馬場で逃げ切り勝ちの前走は展開利が大きかった印象。GIのメンバー相手では厳しいだろう。
・グッドピース
デイリー杯2歳Sは上位馬にまったく歯が立たず。厳しい。
・コスモレッド
京都芝1400mの前走勝ち時計は平凡。連続好走は至難の業と言える。
・コルテオソレイユ
デビューから馬券外のない安定株。1200m~1600m、良馬場から稍重、右回りに左回りとあらゆる条件を経験している点は評価に値する。過去10年の朝日杯FSにおいて、前走東京芝1600mで上がり3F最速だった馬は【3.2.1.2】。未勝利戦を制した舞台替わりで穴妙味ある1頭と捉えたい。
・ストームサンダー
東スポ杯2歳Sは12頭立ての12着。変わり身は望み薄か。
・スペルーチェ
2戦目で勝ち上がりを決めた馬。新馬戦で先着されたアドマイヤクワッズが次走デイリー杯2歳S勝利なら悲観することはなさそうだ。2歳GIを制した母レーヴディソールの血に加えて、出走馬中3頭しかいないノーザンファーム生産馬の1頭。何らかの印は必要か。
・ダイヤモンドノット
秋以降に上昇気流に乗った馬。2勝はいずれも2着に3馬身差、2着の2走前も3着を5馬身差離したように近走パフォーマンスには目を見張るものがある。人気盲点の馬に騎乗するC.ルメールも不気味で、侮れない1頭だ。
・タガノアラリア
2着に3馬身差の前走秋明菊賞は完勝も、その2着馬は未勝利を勝ち上がったばかりの参戦だった。相手に恵まれた印象は否めないず厳しい戦いが予想される。
・ホワイトオーキッド
前走負かした馬の次走成績は【0.0.0.11】。牡馬相手のGIでは厳しいだろう。
・リアライズシリウス
デビュー戦、新潟2歳Sといずれも2着に4馬身差以上の圧勝。底知れぬ強さを感じる1頭だが、ここはローテーションが鍵となりそうだ。過去10年の朝日杯FSにおいて、前走夏競馬から参戦した馬は【0.1.0.6】。2番人気ジオグリフや3番人気トータルクラリティ、4番人気ケイデンスコールも馬券外に敗れた鬼門ローテでもあり、この馬自身も右回り・関西圏は未経験。全幅の信頼を置くには至らないか。
・レッドリガーレ
京都芝1600mの前走勝ち時計は平凡。連続好走は至難の業と言える。
Winsightより一部編集・転載(2025年12月18日 18:00公開の記事)
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在は競馬メディア『Winsigh』で予想コラム執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。


