
MLB公式の分析システム『スタットキャスト』が導入されて11年目。新たな指標が年々追加され、選手のパフォーマンスがより鮮明に掘り下げられる時代となった。
投手の平均球速は上昇し、2025年はフォーシームがリーグ全体で94.5マイル(約152.0キロ)を計測。投球解析が始まった08年の91.9マイル(約147.8キロ)から、わずか17年で2.6マイル(約4.2キロ)も上昇し過去最速を更新した。球種割合にも変化が見られ、スプリットが増加。ポストシーズンでは、昨季の3.04倍も投じられた。
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■変化球に新たなトレンド
MLB公式のデータサイト『Baseball Savant』によると、2025年のレギュラーシーズンではスプリットの投球割合が3.3%に。昨季初めて3%を超えて3.1%を記録し、さらに数字を伸ばす結果となった。08年の時点では全体の1.4%で、その後もほぼ横ばいで1%台を推移していたが、23年に初めて2.2%へ上昇。直近3年間で増加傾向が見られる。
さらに、ポストシーズンでは過去最高を大きく上回る7.3%を記録。ケビン・ゴーズマンやトレイ・イェサベージを擁するブルージェイズがリーグ最多の14.2%、大谷翔平や山本由伸、佐々木朗希が所属するドジャースが同3位の9.5%と使い手が多く、にわかに注目を集めた。
イチロー氏や松井秀喜氏らがプレーした時代に猛威をふるったシンカー(ツーシーム)は、2010年の24.9%をピークに減少を続け、25年は15.4%に。直近6年間では15%台を維持している。また、横変化が大きいスライダー「スイーパー」は過去最多の7.0%まで増加。カットボールも微増しており、球速が年々上昇。過去最速の89.7マイル(約144.3キロ)に到達している。
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