
2025年の卓球界は、1月の全日本選手権を皮切りに開幕し、5月にはカタール・ドーハで「世界卓球 個人戦」が開催された。さらに8月には「WTTチャンピオンズ横浜」が日本で初開催されるなど、国内外の大会が大いに盛り上がりを見せた。26年に向けて、さらなる熱戦が期待される。
そんな中、日本のエースとしてパリ五輪に出場した早田ひな(日本生命)は、度重なるケガと向き合いながら戦い抜いた1年に。紆余曲折のシーズンを経て見せた、サウスポーの奮闘と、2026年に向けた新たな誓いとは。
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■満身創痍の身体と向き合う
パリ五輪で負った早田の左腕のケガは、2025年シーズンにも影を落とした。1月の全日本選手権では、決勝で張本美和(木下グループ)を下し、史上6人目となる女子シングルス3連覇を達成。「ここからが“シーズン2”の始まり」と語り、ケガを抱えながらも前を向いて歩み始めた。
しかし、2大会連続メダルを狙った5月の世界卓球(個人戦)では、準々決勝で中国の陳幸同にストレート負け。その後もWTTシリーズでなかなか上位に勝ち上がれず、世界ランキングもトップ10から外れるなど、苦しい時期が続いた。
日本初開催となった「WTTチャンピオンズ横浜」期間中には、移動時に尺骨神経を圧迫され、左腕のしびれに悩まされていたことも告白。身体の状態はまさに満身創痍だった。
「(パリ五輪で痛めた)左腕のテーピングは、引退まで予防として今後も外さずにつけていくつもり。しびれは徐々に良くなると思いますが、五輪でのケガは“もう治らない”と言われている。そこは自分としっかり相談しながら頑張っていきたい」
ランキングも日本女子で5番手に下がった中、早田に変化の兆しが見えたのはシーズン後半。バックハンドでの強打やチキータレシーブのキレが戻り、本来のプレーが徐々に復活した。そして「WTTチャンピオンズ・フランクフルト」では、準決勝で伊藤美誠(スターツ)、決勝で張本美を破り、同大会で初優勝。日本のトップ選手2人を連破しての快挙で、再び世界ランキングトップ10に返り咲いた。
12月には約3カ月ぶりにTリーグにも復帰。苦しみの多かった2025年を振り返りながら、翌シーズンへと意欲を語った。
「すごく苦しい時間や、耐える時間が2025年は多い1年だったと思います。でもそれが、26年につながっていく。すごく“意味のある年だった”と思うので、それをちゃんと次につなげられる1年にしていきたい。ロス五輪までの3年間でどれだけ強くなれるのかを逆算しながら、プランを立てて頑張っていきたいです」
迎える2026年は、シングルス4連覇がかかる全日本選手権をはじめ、4~5月にはロンドンで「世界卓球 団体戦」が開催される。ロサンゼルス五輪に向けた戦いが本格化する中、25年を「意味のある1年」と語ったサウスポーエースの歩みに、さらなる注目が集まる。
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