
今週は、春のマイル路線を占う重要な一戦、第76回東京新聞杯(GIII、芝1600m)が東京競馬場で行われる。
今年は、昨年の覇者ウォーターリヒトをはじめ、京都金杯を制したブエナオンダ、昨年のスワンS勝ち馬オフトレイル、アイルランドT覇者ラヴァンダ、NHKマイルC2着マジックサンズや、トロヴァトーレ、エルトンバローズなど、重賞ウイナーが12頭も出走予定。豪華なメンバーが揃い、激しい戦いが予想される。
そんな中、連覇を狙うウォーターリヒトが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■険しい連覇の道
昨年の東京新聞杯で、悲願の重賞初制覇を果たしたウォーターリヒト。以降、重賞3戦では結果を残せなかったが、前走のマイルCSでは、15番人気の低評価を覆し、鋭い決め手を繰り出して3着に好走。改めて能力の高さを証明して見せた。明け5歳でさらなる高みを目指すべく、レース連覇で弾みをつけたいところだろう。
しかし、76回という長い歴史を誇る東京新聞杯だが、連覇を達成した馬はいない。2000年以降、連覇に挑んだ馬は9頭いるが、結果は以下の通り。
・ウインラディウス2004年7人気1着→2005年3人気8着・ローレルゲレイロ2008年6人気1着→2009年2人気13着・アブソリュート2009年5人気1着→2010年3人気6着・スマイルジャック2011年5人気1着→2012年10人気16着・ガルボ2012年8人気1着→2013年7人気8着・クラレント2013年2人気1着→2014年5人気3着・カラテ2021年5人気1着→2022年2人気3着・ウインカーネリアン2023年4人気1着→2024年4人気2着・サクラトゥジュール2024年7人気1着→2025年4人気15着
ほとんどの馬が、前年よりも斤量が増え、年齢も一つ年を重ねている影響もあり、連覇を目指した年は、9頭中7頭が人気よりも着順を落としており、東京新聞杯での連覇の難しさが見て取れる。
■GI好走馬が人気を集めて凡走
過去10年で、前走マイルCS組は【2.0.1.13】と主要ステップの部類ではあるが、勝った2頭はいずれもマイルCSでフタ桁着順に敗れており、そこから巻き返しての好走だった。
一方、2024年ジャスティンカフェ(マイルCS3着→東京新聞杯2人気12着)や、25年ブレイディヴェーグ(マイルCS4着→東京新聞杯1人気4着)など、マイルCS好走馬が東京新聞杯で人気を集めて凡走するケースも目立っており、マイルCS9着以内では【0.0.1.5】と微妙だ。 GI好走歴で簡単に飛びつくのは危険と言える。
さらに、今回はマイルCSでコンビを組んだ高杉騎手が継続騎乗となるが、関西の若手のホープも、関東の競馬場での騎乗経験は乏しく、東京では【1.0.1.13】の成績。しかも、そのほとんどはダートで、芝では【0.0.0.2】と、まだ2鞍しか経験していない。
重賞初制覇のチャンスではあるが、これまでの重賞での平均人気は10.3人気で、期待を背負った状態での騎乗経験は乏しい。加えて、ほぼ未経験の東京芝コースで、果たして上手くリードすることができるだろうか。
登録馬16頭中12頭が重賞ウイナーという豪華なメンバー、抜けた存在不在で人気は割れそうな雰囲気。マイルCSの最先着馬、加えてディフェンディングチャンピオンとして、ウォーターリヒトは注目を集めるだろうが、連覇の難しさや、昨年とは違う、東京での経験値の浅い若手が騎乗するという点を鑑みると、大きな信頼を寄せることは難しい。妙味を考慮すると、少なくとも「頭」勝負は避けたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。


