
2026年WBC開幕が迫り、プールAのホスト国であるプエルトリコ代表の陣容が明らかになった。フランシスコ・リンドーア内野手、カルロス・コレア外野手らチームの主軸を担うはずだったスーパースターたちが怪我や保険問題によって不在となる衝撃的なロースターではあるが、その空白を埋めるのはメジャー屈指の経験と新世代の台頭だ。2025年シーズンのMLBスタッツおよびスタットキャストのデータを基に、王座を狙うプエルトリコ投打のキーマンを紹介していく。
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■過去には米代表だったアレナドが“電撃参戦”
野手陣最大のキーマンは、母親のルーツであるプエルトリコ代表に電撃参戦することになったノーラン・アレナド内野手だろう。現役屈指のレジェンドはここ3年、全盛期ほどの打撃力はみられず、2025年は107試合に出場、打率.237、本塁打12、打点52、OPS.666と打撃面ではキャリアワーストともいえる1年だった。しかしながら、Whiff%17.9、K%11.2とコンタクト率は健在。そして、プラチナ・ゴールドグラブ賞6回受賞経験のある素晴らしい守備力もまだまだリーグトップレベルとなっている。絶対的キャプテン・リンドーア不在の中、精神的支柱としてチームをまとめる役割が期待される。
外野手では、エリオット・ラモス外野手に注目。2017年のドラフトにて全体19位でジャイアンツ入りしたラモスは、2022年にメジャーデビューを果たした26歳。2024年に初のオールスターに選出されると、昨シーズンも157試合に出場、打率.256、22本塁打、69打点、OPS.728を記録しチームの中軸を担った。OAA-9と守備に課題を残しながらも、打者不利な本拠地オラクルパークで2年連続20本塁打を記録し、右打者として初めて“スプラッシュヒット”を放った打力は脅威といえるだろう。
チームに様々なオプションをもたらすユーティリティとしての期待がかかるのが、ウィリー・カストロ内野手。一塁、捕手以外の全てのポジションをこなすカストロは、昨シーズン120試合に出場、打率.226、本塁打11、打点33、OPS.679と打力に派手さはないもののスイッチヒッターのユーティリティーとして貴重な存在。シーズンでは主力が怪我をした際の選択肢としてトレードデッドライン前後で複数の球団が注目をしていたとされている。WBCのような短期決戦においては、本職以外を守る選手も多く複数ポジションをハイレベルで守れるカストロのような存在は非常に貴重だ。
■“リベンジ”に燃える絶対的守護神
投手陣では、まず先発のセス・ルーゴ投手に注目。3年連続で25先発、140イニング以上を投げる右腕は2025年26試合に先発、8勝7敗、防御率4.15、WIP1.29と若干振るわなかったものの、ロイヤルズ投手陣の柱として活躍した。ルーゴの特徴といえば10種類とも言われる多彩な球種。特に落差約1.5mを記録したこともある回転数の多いカーブには定評がある。
リリーフでは、今季からドジャースに移籍したエドウィン・ディアス投手が目玉だ。メッツの絶対的守護神として君臨していたディアスは、2017年、2023年大会に続いて3度目の選出。前回大会では勝利後のセレブレーションの際に右脚を負傷し、シーズン全休というアクシデントがあったものの、2024年に復帰。昨シーズンは62試合に登板し、6勝3敗、28セーブ、防御率1.63、WHIP0.87とキャリア最高水準のパフォーマンスを披露した。4シームとスライダーの2球種がほとんどながら空振り率も非常に高く、特に決め球のスライダーはWhiff%44.0、K%40.1とハイクオリティ。対戦チームとしてはディアスの登板につながらないよう、なんとか最終回までにリードを奪わないと絶望的な展開となってしまいそうだ。
かつての華やかなスター軍団から、役割を重んじる「堅守と剛腕」のチームへと変貌を遂げたプエルトリコ。アレナドの加入により内野の強度は保たれ、ルーゴからディアスへと繋ぐ投手リレーはMLBのトップレベルと遜色ない。各選手が自らの役割を全うすれば、悲願の優勝を成し遂げる可能性は十分にあると言えるだろう。
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