
KKT杯バンテリンレディスオープンは17日、熊本県の熊本空港カントリークラブで開催される。同大会は、5年連続でツアー初優勝者誕生となっている。
2021年大会は山下美夢有、22年大会は植竹希望、23年大会は岩井明愛、24年大会は竹田麗央、昨年大会は佐久間朱莉が優勝。今年もツアー初優勝者誕生となれば6年連続となるわけだが、その可能性がある未勝利3選手、藤本愛菜、吉田鈴、小林光希を紹介する。
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■元ナショナルチームメンバー藤本愛菜
昨年のプロテストに合格し、今季がルーキーイヤーとなる19歳の藤本は、元ナショナルチームメンバー。日本ジュニア4位タイや、日本女子アマ2位タイの実績を引っ提げてプロ入りしてきた選手である。
アマチュア時代に「飛距離はプロ相手でも通用する」と感じていたようで、今季現時点(4月13日時点)でのドライビングディスタンスは36位。フェアウェイキープ率が42位となっており、トータルドライビングが24位だ。
「飛んで曲がらない」と評することができるドライバーショットを見せているが、それ以上に評価できるのが、アイアンショットのキレ。パーオン率が7位となっており、ボールストライキングは13位。
パーオンホールの平均パット数が20位で、1ラウンドあたりの平均パット数が37位と、パットに改善の余地がありながら、平均ストロークは8位であるところからも、ショット力の高さがうかがえる。パットの成長次第で一気躍進もあり得るのではないだろうか。
所属が、竹田と同じヤマエグループホールディングス。偉大な先輩に近づくべく、国内ツアーで存在感を示していく。
■姉の背中追いかける吉田鈴
通算4勝で、2024年シーズンから米ツアーを主戦場にしている吉田優利の妹、吉田鈴が2年目のシーズン序盤で成長を感じさせている。
昨季のルーキーイヤーはメルセデス・ランキング51位で、惜しくもシード権獲得とはならなかったが、今季は6試合に出場して15位以内が3回で、現時点でのメルセデス・ランキングは23位。今月10日から開催された、富士フィルム・スタジオアリスでは、最終日をトップと1打差で迎え、5位タイでフィニッシュした。
吉田の強みは、曲がらないドライバーショット。昨季のフェアウェイキープ率は11位だった。一方で、飛距離不足という課題もあり、昨季のドライビングディスタンスは75位だった。
現代は“飛距離必須”と言われるが、飛距離不足を他の部分で補うことは可能。2022年、23年の年間女王で、25年から米ツアーを主戦場にしており、ルーキーイヤーで全英女子オープンを制した山下は、飛距離の面でハンデがある選手だが、ショットの正確性に磨きをかけ、今の地位を築いている。
吉田の今季現時点でのドライビングディスタンスは66位。少しではあるものの、昨季から上積みされている。ただ、飛距離というものは伸ばし続けることができるものではない。頭打ちになったとしても、ショットの正確性に磨きをかけ、それを武器に戦っていってほしい。
■最も初優勝が近い小林光希
ツアー初優勝が最も近い選手といえば小林だろう。昨季はトップ10が7回あり、メルセデス・ランキングは19位。今季は現時点で6試合に出場して予選落ちがなく、トップ5に3回入っており、メルセデス・ランキングは7位だ。
スタッツを見ると、昨季よりもショットの精度が高いことがわかる。昨季32位だったトータルドライビングは今季現時点で7位に、41位だったパーオン率は13位に、34位だったボールストライキングは6位になっており、ショットに関してはツアートップレベルへの成長を感じさせている。
課題はショートパットかもしれない。1ラウンドあたりの平均パット数が40位、リカバリー率が27位、サンドセーブ率が34位、3パット率が38位となっており、ショートパットが絡む記録が低調なのだ。
勝負どころで“入れごろ外しごろ”のショートパットを高確率で沈められるようにばれば、ツアー初優勝はもちろん、年間女王争いに加わることもあり得るのではないだろうか。
■3年連続“優勝者が年間女王”となるか
2024年大会優勝の竹田も昨年大会優勝の佐久間も、その年に年間女王となった。つまり、2年連続で、KKT杯バンテリンレディスでツアー初優勝を飾った選手が、その年の年間女王になっているのだ。(ちなみに、2021年大会がツアー初優勝の山下は22年と23年の年間女王である)
今回のKKT杯バンテリンレディスは、6年連続“ツアー初優勝者の誕生”となるのか。そうなった場合、その選手が今季、佐久間らとの年間女王争いに食い込み、3年連続“ツアー初優勝者が、その年の年間女王”となるのか、注目だ。
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著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。


