
今週は3歳牝馬クラシックの二冠目、第87回優駿牝馬(オークス/GI、芝2400m)が東京競馬場で行われる。
今年は、桜花賞馬スターアニスが断然の主役。対するは、桜5着から巻き返しを期すアランカールや、クイーンC覇者ドリームコア、フローラSを制したラフターラインズに、同2着エンネ、忘れな草賞を制したジュウリョクピエロなどが逆転を狙う。
そんな中、牝馬二冠を目指すスターアニスが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■桜花賞圧勝馬が敗れるオークス
2歳女王スターアニスは、桜花賞でも圧巻の強さを見せつけた。前半800m45秒7、後半800m45秒8と、総合力が問われる流れの中、中団からレースを進めて上がり最速33秒7の末脚で差し切り勝ち。1分31秒5の好タイムで、後続には2馬身半差をつける圧勝劇なら、世代でもひとつ抜きんでた存在といえる。しかし、それはあくまでマイル戦でのスピード能力の話。クラシックディスタンスでも、その才能を発揮できるとは限らない。
過去30年の桜花賞を振り返ると、2着に2馬身差以上の圧勝劇を決めた例は少なく、1997年キョウエイマーチ、01年テイエムオーシャン、04年ダンスインザムード、15年レッツゴードンキ、19年グランアレグリアの5頭。そのうち、グランアレグリア以外の4頭はオークスへ出走したが、いずれも敗戦し二冠を逃した。また、1分31秒1の桜花賞レコードをマークした21年ソダシも、オークスでは大敗。
そして、上記6頭の後の戦績は、いずれも短~マイルのスペシャリスト。つまり、桜花賞で他馬に圧倒的な差をつける強い勝ち方を見せた馬は、この距離なら世代でスピード能力が抜きんでいる証である一方、これ以上の距離では、必ずしもトップであるとは限らないことの証でもある。スターアニスの未来はどうなるかわからないが、過去の傾向から照らし合わせると、最も適している舞台はやはりマイル前後かもしれない。
加えて、過去10年のオークス勝ち馬10頭のうち、6頭が1800m以上のレースで勝利実績があり、中距離戦での経験有無は重要ファクター。なお、1800m以上が未経験だった馬4頭のうち3頭が三冠牝馬となっており、スターアニスにとって最大の正念場となる。
血統面でもスターアニスは懸念材料がある。父ドレフォンの産駒は、阪神大賞典2着ワープスピードなど、長距離適性を見せる馬はいるものの、芝2200m以上の重賞では【0.1.1.12】で未勝利。さらに、産駒の牝馬に限ると、レースの格を問わず、芝2000m以上では【0.0.0.61】と一度も馬券に絡んだことがない。母エピセアロームは芝1200m重賞を2勝、母父ダイワメジャーと、母系も短距離志向で、やはり距離は持つかどうか微妙なところだ。
阪神JF、桜花賞とGI2勝スターアニスに逆らってはいけないのかもしれない――。それでも、同馬のポテンシャルは、“マイル前後でこそ”と思わせるこれまでの勝ちっぷりで、距離延長となると逆に不安がよぎるほど。さらに、桜花賞2~4着の善戦組が不在で、未対決の馬との対戦が増えることとなり、逆転を許す余地も残す。人気ほどの信頼は寄せられず、妙味を考慮すると、少なくとも「頭」勝負は避けたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。


