
今季のホワイトソックスは、明らかに何かが違う。
長年にわたりア・リーグ最弱クラスに甘んじてきたチームが、2026年シーズン開幕から首位争いに加わり、日本時間30日時点でア・リーグ中地区2位(30勝27敗)につけている。
その変貌の最大の要因が、村上宗隆内野手であることは間違いない。速球への対応と三振率の高さが懸念されていたが、今季ここまで57試合に出場、打率.240、本塁打20、打点41、OPS.938と素晴らしいルーキーイヤーを送っている。
しかし、昨シーズンまでとは異なる打線の爆発力は村上の影響だけではない。村上に加え、コルソン・モンゴメリー内野手とミゲル・バルガス内野手の活躍が凄まじいのだ。日本時間30日のタイガース戦も、試合を決めたのはバルガスの13号逆転サヨナラ本塁打だった。
LET'S GO! MIGUEL VARGAS! pic.twitter.com/DfFCbmOhEm
— Chicago White Sox (@whitesox) May 30, 2026
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■デビュー2年目の有望株はチーム待望の打てる遊撃手
2021年ドラフト1巡目(全体22位)でホワイトソックスに入団した、24歳の遊撃手モンゴメリー。MLBデビューは2025年7月とつい昨年のことだが、その後の活躍は“歴史的”という言葉がふさわしいだろう。昨季は71試合で21本塁打・55打点を記録。シーズン終盤には三振が増えた課題もあったものの、MLBネットワークが2026年シーズン開幕前に発表したトップ100選手リストで88位にランクインするほどの評価を得た。
2年目の今季、モンゴメリーはさらにスケールアップした打撃を見せている。30日時点で56試合に出場、打率.227、本塁打13、打点34、OPS.786とリーグ有数のパワーを誇示。打順は主に3~5番を担い、村上の前後を打つ形でクリーンアップの一角を形成している。Baseball Savantによると、2026年の平均打球速度は89.8マイル、ハードヒット率41.9%、と水準並みだが、バレル率13.7%と長打力の裏付けとなる指標に長けている。一方、三振割合は29.8%と高く、コンタクト面は依然として課題として残るが、村上とともにチーム待望の“主砲”として、今季ホワイトソックスの快進撃を支えているのは間違いないだろう。
■シカゴで才能を開花させた2世プレイヤーの大活躍
一方のバルガスは、キューバ・ハバナ出身の26歳。父も野球選手というベースボールファミリーで育ち、2022年8月にドジャースでMLBデビュー。ロサンゼルスでは外野も含め複数ポジションを守ったが実力を十分に発揮できず、2024年7月、3チームのトレードでホワイトソックスへ移籍した。転機となったのは2025年。138試合に出場すると、自己最多の16本塁打をマーク。5月には週間MVPを受賞するなど確実に成長の跡を見せた。そして2026年、バルガスは完全に別次元へと踏み出した。シーズン開幕から56試合で打率.235、13本塁打、34打点、OPS.850。三塁手としての今季本塁打数はレイズのジュニオール・カミネロ内野手と並ぶリーグ首位、37四球は三塁手中2位とリーグトップ級の出塁センスを誇る。
バレル率15.4%、ハードヒット率45.6%とともに前年比で大幅に上昇しており、打撃フォームの成熟が数字に表れている形だ。課題を挙げるとすればコンタクトにまだ波があることだが、それでもChase% 17.1%、BB% 15.1%とメジャー全体で見てもトップレベルの選球眼を持つなど、出塁率.362が示すようにボールを見極める能力が打率のマイナスを補って余りあるといえるだろう。
■全体5位の本塁打数は“覚醒”の象徴か
村上、モンゴメリー、バルガスが核として機能し、ホワイトソックスが長年渇望してきた破壊力を打線にもたらしている。特筆すべきは3者の左・右・右という打席の組み合わせだ。村上(左打ち)、バルガス(右打ち)、モンゴメリー(左打ち)、が並ぶことで、相手バッテリーは単純に左腕一本で攻略できない。チーム全体の本塁打数は30日時点で76でメジャー全体5位。今季も100敗かと噂されたチームの変貌ぶりに、地元メディアを含め驚きの声があがるのも無理はない。
ワイルドカード争いどころか、地区首位の可能性もまだまだ残されているホワイトソックス。サヨナラ弾を放ったバルガスはチームとしての連帯感に言及し、ここまでの戦いぶりに手応えを感じているとも語っている。村上がハムストリングを痛めたことで数週間の離脱を余儀なくされるが、長い夏から後半戦に向けて、“若き三銃士”がいかにスタミナと調子を維持できるかが、ポストシーズン進出の鍵を握ることになるだろう。
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