吉田鈴はなぜ今季急成長したのか リカバリー率5位を支えるインパクトの特徴 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

吉田鈴はなぜ今季急成長したのか リカバリー率5位を支えるインパクトの特徴

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吉田鈴はなぜ今季急成長したのか リカバリー率5位を支えるインパクトの特徴
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今季、6月の「ヨネックスレディス」でツアー初優勝を飾り、8月の「CAT Ladies」で早くも2勝目を挙げた吉田鈴。メルセデス・ランキングも昨季の51位から、今季は現時点(9月7日時点)で8位まで上昇しており、著しい成長を見せている。

飛躍の理由のひとつとして挙げられるのが、課題とされていたドライバーショットの飛距離が伸びたことだろう。しかし、それだけではない。グリーン周りからのアプローチショットの安定性が向上していることも、今季の好成績を支える大きな要素になっていることがうかがえる。

では、吉田のグリーン周りからのショットは、なぜ安定しているのか。注目したいのが、インパクト時の手元の高さである。

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■リカバリー率31位から5位へ

まずは吉田のスタッツを確認しておきたい。リカバリー率は昨季の31位から、今季は現時点で5位まで上昇。サンドセーブ率も昨季の16位から10位へと順位を上げている。

パッティングのスタッツを見ると、パーオンホールの平均パット数は昨季の31位から今季26位へ上昇。1ラウンドあたりの平均パット数は50位から12位へと大きく順位を上げている。

リカバリー率やサンドセーブ率は、アプローチやバンカーショットだけでなく、その後のパッティングの成否にも左右される数字である。

ただし、パーオンホールの平均パット数の順位の上昇幅はそれほど大きくない。それに対して、1ラウンドあたりの平均パット数の順位は大幅に上昇している。

つまり、グリーンを外した時のアプローチで、昨季以上にカップへ近づけられる場面が増え、その結果として少ないパット数でホールアウトできるケースが増えていると考えられる。

吉田鈴のスタッツ(9月7日時点)作成:SPREAD編集部

■インパクトで手元が低い

吉田のフルショットのスイングを見ると、ひとつ特徴的なのがインパクト時の手元の高さである。

切り返し以降、お尻がボール方向へ大きく出ることなく、ボールと体の間に十分なスペースを保っている。そのため、ダウンスイングで手が通るスペースを確保しやすく、インパクトで手元を低く抑えやすい。

インパクト時の手元が低い位置で安定すれば、クラブヘッドの軌道やフェースの向きも安定させやすくなる。ショットの方向性を高めながら、クラブのエネルギーをロスなくボールへ伝えることにもつながる。

そして、この動きが強固になるほど、その恩恵はフルショットだけでなく、グリーン周りからのウェッジでの小さなショットにも表れてくる。

アプローチショットでも、“手元の浮き”はできるだけ避けたい動きのひとつである。

アプローチではスイング幅が小さいが、わずかに手元が浮くだけでも、クラブヘッドの軌道やフェースの向きには違いが生じる。

吉田は、インパクトで手元を浮かせない動きを身につけてきたことで、グリーン周りからのショットの再現性も高まり、それがリカバリー率やサンドセーブ率の向上につながっているのではないだろうか。

■アプローチショットでも体幹の強さが必要

“インパクトでお尻を前に出さず、手元を浮かせない動き”には、体幹を中心とした身体の強さも必要になる。

ダウンスイング以降、クラブには重さと勢いが加わる。その力に体が負けて姿勢を保てなくなれば、骨盤がボール方向へ動き、結果として手元の通り道が狭くなる。すると、手元を上方向へ逃がさなければいけなくなってしまう。

これはフルショットに限った話ではない。

アプローチショットのような小さな振り幅でも、毎回同じ姿勢、同じスペースを保ちながらクラブを動かそうとすれば、身体を安定させる力が求められる。ショートゲームというと技術のみに目が向きやすいが、より高い再現性を求めるのであれば、体力や筋力も無視できない要素なのである。

吉田は筋力トレーニングにも、これまで以上に精力的に取り組むようになったという。その効果は、もしかすると、飛距離アップ以上にショートゲームの安定性向上につながっているのかもしれない。

■初国内メジャータイトルへ

9月10日から、石川県の片山津ゴルフ倶楽部・白山コースを舞台に、今季国内メジャー第2戦「日本女子プロゴルフ選手権」が開催される。

今大会には、国内ツアー通算4勝を挙げている姉の吉田優利をはじめ、山下美夢有、竹田麗央、岩井明愛、岩井千怜など、現在は米ツアーを主戦場としている選手たちも出場する。

今季これまでの国内大会以上に厚いフィールドとなるが、今季の吉田なら、ここでも上位争いに加わっても不思議ではない。

グリーンを外してもパーを拾える力が高まっていることは、メジャーでは大きな武器になる。

安定感を増したグリーン周りからのショットを武器に、初の国内メジャータイトルをつかむことができるのか。吉田の戦いに注目したい。

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著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

《SPREAD》

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