野球から陸上、そしてゴルフへ 20歳・福田萌維のツアー初優勝に見えた「マルチスポーツ」という可能性 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

野球から陸上、そしてゴルフへ 20歳・福田萌維のツアー初優勝に見えた「マルチスポーツ」という可能性

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野球から陸上、そしてゴルフへ 20歳・福田萌維のツアー初優勝に見えた「マルチスポーツ」という可能性
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4日から岐阜県のゴルフ5カントリーみずなみコースで開催された「ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント」では、プロ2年目、20歳の福田萌維が木戸愛とのプレーオフを制し、ツアー初優勝を飾った。

和歌山県出身選手として初のツアー優勝という快挙だったが、福田のこれまでのスポーツ歴も興味深い。

プロゴルファーの多くは、小学生の頃からゴルフに取り組み、比較的早い段階で競技を一本化していく。一方、福田は高校に入るまで、複数の競技に取り組む「マルチスポーツ」を続けてきた。

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■小学生では野球とゴルフ、中学時代は陸上部

福田が最初に始めたスポーツは、ゴルフではなく野球だった。

小学1年生で野球を始め、小学3年生からゴルフにも取り組むようになった。しばらくは野球とゴルフを並行して続け、小学校高学年になるにつれて、徐々にゴルフへ比重を移していったようだ。

そして中学時代には、「ゴルフのためには、まず体づくり」と考えて陸上部に入部した。

陸上競技によって、ゴルフにも必要となる体幹や瞬発力を鍛えることができたようで、細身ながら自身の体について「体の中は強いと思う」と語っている。

高校は、ゴルフの強豪である宮崎県の日章学園に進学。1年生から団体戦のメンバーに入り、1学年上の菅楓華や荒木優奈らとともに、2022年、2023年の全国高等学校ゴルフ選手権大会・団体の部で連覇を達成した。

個人でも着実に力を伸ばし、2024年の日本女子オープンでは22位タイ。同年のプロテストにも一発で合格した。

■ドライビングディスタンス31位

福田の武器の一つが、ドライバーショットの飛距離である。

今季現時点(9月21日時点)のドライビングディスタンスは244.19ヤードで31位。167センチの長身を生かし、十分な飛距離を生み出している。

福田のスイングを見ると、トップ・オブ・スイングは比較的コンパクトである。それでもこれだけの飛距離を出せる背景には、野球や陸上で培ってきた身体能力がプラスに働いているのではないだろうか。

野球では、体力を鍛えるだけではない。ボールを投げる、バットで打つといった動きの中で、下半身や体幹で生み出した力を、一瞬で腕や手、そして道具へと伝える感覚を身につけていく。

これはゴルフスイングにも通じる。

中学時代に取り組んだ100メートル障害も同様である。走るだけではなく、地面を強く蹴って跳び、着地した直後に再び走る。その繰り返しには、瞬発力に加えて、強く地面を蹴っても姿勢を崩さない体幹の強さやバランス能力が求められる。

これらは、ゴルフにも大きく役立つ。

そして重要なのは、これらがゴルフ練習場でボールを打ち続けるだけでは、なかなか身につけにくいものだということである。

福田萌維のスタッツ(9月21日時点)
記録データ順位
平均ストローク71.607829位
トップ10回数5回18位
ドライビングディスタンス244.19ヤード31位
パーオン率67.9739%31位

■全米プロゴルフ協会では「5つの基本原則の1つ」に

全米プロゴルフ協会がジュニア育成に取り入れている「American Development Model」でも、5つの基本原則の一つとして「複数スポーツへの参加を奨励すること」が掲げられている。

複数のスポーツに取り組むことは、さまざまな競技に応用できる筋力、持久力、敏捷性、協調性などを高めることにつながる。

「マルチスポーツ」は、バランスの取れた運動能力や動作の土台をつくるうえで重要なのである。

一つの競技だけでは鍛えにくい筋肉や動作を補えるだけでなく、同じ動きを繰り返すことによる特定部位への負担を軽減し、ケガのリスクを抑えることにもつながる。

例えば、「1年後に今より良いスコアでプレーする」という目標だけを考えるのであれば、毎日のように練習場へ通い、ゴルフボールを打った方が早く成果が表れるかもしれない。

しかし、5年後、10年後まで見据えてゴルファーとして成長していくことを考えるなら、話は変わってくる。

ゴルフクラブを握る時間を減らしてでも、他のスポーツに取り組む。それは遠回りではなく、長い目で見ればゴルフの可能性を広げる時間になるはずである。

■一般ゴルファーも「ゴルフ以外」を

これはジュニアゴルファーだけの話ではない。一般ゴルファーにも、ゴルフ以外の運動を取り入れる価値はある。テニスでもいい。ランニング、ヨガ、ピラティス、ジムでのトレーニングでもいいだろう。

ゴルフを上達させるために、あえてゴルフ以外のことをするのである。

アマチュアゴルファーの中には、下半身や体幹で生み出した力を、腕やクラブへうまく伝えられていない人が少なくない。また、「腹筋に力を入れる」「体幹を使う」と言われても、その感覚自体がよく分からないという人もいるだろう。

そうした人にとって、ゴルフ以外の運動を経験することは、新しい体の使い方を知るきっかけになる。

例えば、週2回打ちっぱなしへ行っているのであれば、そのうち1回を別の運動に置き換えてみるのも一つの方法である。

「この年齢から始めても意味があるのか」と感じる人もいるかもしれない。しかし、これから先のゴルフライフはまだ長い。

ボールを打つ楽しさを大切にしながらも、本当に上達を望むのであれば、ときにはクラブを置き、長期的な視点から自分のゴルフを考えてみることも必要なのではないだろうか。

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