
ブルワーズは28日(日本時間29日)、レイズとのワールドシリーズ第5戦に勝利し、球団史上初の世界一に輝いた。その歓喜の瞬間、ウィリアム・コントレラス捕手が両膝をつき、両腕を高く掲げて天を仰ぐ姿を真上から捉えた写真が話題を集めている。
まるで映画のワンシーンのような1枚だが、撮影にAIやドローンは使われていない。試合前の周到な準備と、複数のカメラマンによる連携が生み出したものだった。
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■キャットウォークに遠隔カメラ設置
米メディア『Yahoo Sports』は、ゲッティイメージズと共同でスポーツ写真の舞台裏を紹介する企画「Behind the Lens」で、撮影を担当したカルメン・マンダート氏の証言を掲載した。
第5戦が行われたトロピカーナフィールドはドーム球場。フィールド上空にはキャットウォーク(天井通路)が設けられており、通常のフィールドレベルとは異なる視点から撮影できる。撮影チームはこの環境を生かし、優勝決定の瞬間を本塁真上から捉える計画を立てていた。
ゲッティイメージズのチーフフォトグラファー、ジェイミー・スクワイア氏は、優勝決定の場面で重要な撮影位置になると考え、本塁上空のポジションを確保。マンダート氏が試合前にキャットウォークへ上がり、真上にカメラを設置した。さらに、ジョエル・エイブラハム氏がネットワークを通じた遠隔操作を担当。試合中は離れた場所からシャッターを切れる体制を整えていた。
■コントレラスのリアクションを見越して
撮影チームが準備していたのは、単に珍しいアングルだけではなかった。マンダート氏は過去の取材経験から、コントレラスが勝利や祝福の場面で非常に表情豊かな選手だと把握していたという。
同氏は「これまでの取材で、コントレラスが祝福の場面でどれほど表情豊かな選手なのかを知っていた」と説明。ワールドシリーズMVPに輝くことまでは予想していなかったものの、以前から見せていたようなリアクションを期待して撮影に臨んでいた。
「スポーツ取材では、どこで物語が生まれるのかを予測し、必要な準備を整え、決定的な瞬間が訪れることを願う。それが仕事の大部分を占めている」
マンダート氏は撮影に向けた考え方をそう振り返った。選手の個性を把握し、決定的な瞬間が生まれる場所を見極め、試合前から機材と撮影体制を整える。ブルワーズの球団史に残る世界一の瞬間を捉えた「奇跡の1枚」は、カメラマンたちの経験と緻密な連携によって生まれていた。
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