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【世の中】三越伊勢丹を支える現場リーダーの育て方

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「HRサミット2014」の株式会社三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ(IMH) 代表取締役社長 田村伊都子氏による講演
「HRサミット2014」の株式会社三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ(IMH) 代表取締役社長 田村伊都子氏による講演 全 2 枚 拡大写真
6月3日より4日間に渡り開催された人事・経営者フォーラム「HRサミット2014」で、株式会社三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ(IMH) 代表取締役社長 田村伊都子氏が、「最前線で活躍する現場リーダーの育て方」と題して講演を行った。

講演は、新人時代のエピソードからスタート。2011年4月に現職に就いた田村氏は、現場からキャリアをスタート。婦人肌着売り場で先輩社員や取り引き先企業の販売員から厳しい指導を受けながら経験を積んだ新人時代だったという。「目の前の新人を一人前にしようというムードの店頭だった。いかにお客様の期待を上回る提案ができるか、現場で学んできた」

三越伊勢丹は2013年度全国の百貨店売り上げの約2割にあたる約1兆3,200億円(三越伊勢丹グループ連結)を達成、伊勢丹新宿店の年間売上高は1店舗として日本一という記録を持つ。田村氏は、その成長を店頭・後方スタッフ・グループ会社社長と様々な立場で現場を見てきた。「(成長は)創業以来、顧客の期待を先読み・具現化してきたため。一人でも多くのお客様と向き合うことで、現場に、そしてお客様に育てられてきた」

そして彼女はその成長の源である店舗運営を支える仕組みの一つが、充実した教育研修制度であると強調する。OFF-JTの研修として、OJTとの組み合わせも可能な約200の研修プログラムが用意されており、それらを企画・運営しているのがIMHだ。「講師を内製化することにより、グループで培われた経験値を最大限に利用してスペシャリストを養成することが可能」という。

■覆面調査からコンサルティングまで。IMHの新事例

IMHは、販売員のスキルレベルを4段階に分けることで、現状把握と目標設定、教育計画を立て易くする仕組みを構築している。最近では、顧客のライフスタイルや思考を想像したり、優秀な販売員の行動を観察して学んだりすることで、顧客ニーズに対する感度を上げる「気づきを深めるトレーニング」も5、6年前より導入を開始。例えば、毎日の朝礼中にリーダーを中心に、最近の接客の事例を共有し、顧客に提案できるサービスを皆で考えるなど「教えるのではなく、個々販売員の気付き力を高めることを目指すのがポイント」だ。

また、IMHが担当する「店頭力調査」も紹介。覆面調査員による接客力調査を三越伊勢丹各店舗で行っている。接客スキルなどを数値化することで「見える化」し、販売力向上のためのきめ細やかな目標設定を可能にした。

そのノウハウは、IMHが運営を担うグループの新規事業「イセタンミラー」(化粧品小型店舗)にも生かされた。「9店舗で活躍する約100名の販売員は、20ブランド以上の研修を受けて店頭に出るが、取り組みがスタートした2012年時点では、新規事業のため販売力では全員が1年生。先輩から学ぶことができないため、事例共有により経験値を補い、チーム力を上げてきた。また、販売員の声が自分の声が商品やショップに反映出来るのもモチベーションになっている」と田村氏。その結果、販売員の定着率はコスメ業界では異例とも言える90%となり、2012年の日経優秀製品・サービス賞では日経MJ賞を受賞した。

そんなIMHでは、これらの取り組みによりグループで培われた人材育成の知見を外部企業へ提供する取り組みも今年本格的にスタートし、同社のコンサルタントが、課題ヒアリングを元に課題解決の方向性をレポートにし提供するサービスを行っている。本講演にも三越伊勢丹グループの人材育成に興味関心のある企業約50社が訪れ、熱心に聞き入っていた。

【レポート】三越伊勢丹を支える現場リーダーの育て方とは?

《編集部》

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