【小さな山旅】人々に愛される山…鶏足山(1)
オピニオン
コラム

ゴミが落ちていないのはもちろん、駐車場が作られ、歩きやすい登山道が作られ、安全なコースが設定されていて、わかりやすい看板があちこちにある。自然を壊し過ぎない程度に人の手が加わっている山。そんな山には、山に対する人々の愛情が感じられる。
今回登った茨城県城里町にある鶏足山(けいそくさん)も、そんな「愛されている山」のひとつだと感じた。前述した愛されている山の条件(筆者が勝手に設定)が全て当てはまる山なのだ。
◆「愛される」ための条件
だが、「愛される」には条件がある。これは、人間にも同じことが言えるだろう。稼ぎが良い、顔立ちが良い、性格が良い、趣味が良い…など、どこかに「良さ」がなければ多くの人々には愛されない。
では、山として、低山として愛される条件とは何か。鶏足山は、なぜ人々に愛されたのか? 筆者は、実際に鶏足山に登って調査を実施した。
鶏足山は城里町最高峰ではあるが、その標高は430.5mほど。低山の中でも低い部類に属する。赤沢富士や焼森山への縦走コースがあり、それらのピークを踏んで下山してもコースタイムは3時間程度。ハイキングにはちょうど良い時間だ。
弘法大師の伝説があり、頂上付近には鶏石と呼ばれる鶏の冠の形をした大岩がある。歴史の勉強にもなる山だ。
頂上からの眺めも良い。パノラマ風景が楽しめ、茨城県の山々はもちろん、日光連山、那須連山が遠くに見える。茨城県の山に付き物の「晴れた日には富士山が見える」眺望も、きちんと確保されている。
一般コースの序盤はなかなか厳しい登りがあるが、それ以降はなだらかな道が続き、特に危険もない。
うんちく(歴史)、達成感(きつい登りと縦走路)、感動(頂上の展望)、気軽さ(コースタイムとコースの安全度)。こうした様々な要素が重なり合って、山は様々な人に愛される。
つまり、老若男女問わずに楽しめる山こそ、人に愛される山なのだ。そして愛される山は町や市などの助力によってさらに愛されるようになる。設備が整い、誰もが登りやすく、登ってみたくなる。
なるほど、鶏足山登山口の駐車場には、そこそこの数の車が停まっていた。登山中には、多くの登山者にも会った。その中には、子供を連れたファミリー層も多かった。誰しもが山に登るという行為を楽しめる山だからこそ、多くの人々に愛されるのだ。
では、その理屈が人にも通用するならば。愛されている山には愛される理由があるように、愛されている人にも愛される理由がある筈だ。既に人生の伴侶を得ている人をよくよく観察し、愛される理由を探ることで、筆者にもモテ期とやらが訪れるかもしれない…などという、淡い期待も胸に山へ足を踏み入れた。
《久米成佳》
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