アンリはサイドに開き気味の位置からスペースを使い加速していき、相手ディフェンスを切り崩す能力に長けたFWとして、数々のゴールを生み出した。柔らかいボールタッチや精度の高いキックも併せ持ち、2000年代にはベンゲル監督の下でアーセナルの黄金期を作り上げた。
ティエリ・アンリ 参考画像（2000年5月6日）（c）Getty Images
2010年7月に米国メジャーリーグ・サッカー（MLS）に移籍。ニューヨーク・レッドブルズでプレーしたが、今シーズン終了後に退団した。
アンリは現在37歳。退団後の進路は未だ発表されていないが、古巣アーセナルにコーチとして復帰する話がメディアを賑わせるなど、引退の可能性が高いと見られている。
フランス代表としても1998年、自国で開催されたワールドカップに出場。優勝メンバーとなっているアンリに、母国のファンに別れを告げる機会与え、その功績を称えるべきだとする声がある。
ティエリ・アンリ 参考画像（2006年9月9日）（c）Getty Images
フランスは2015年3月に国際親善試合を2試合予定している。そのうち26日の試合は、98年ワールドカップと同じスタッド・ドゥ・フランスで行われ、相手も同じブラジル。
準決勝まで全試合に出場しながら、決勝のブラジル戦だけは欠場していたアンリ。この試合で代表のユニフォームを着れば、素晴らしい時間になるというのだ。
一方ホスト国としてEURO2016の予選を免除されているフランスにとって、親善試合もEUROに向けた強化策の一環だ。アンリは偉大な選手だが、試合は今の代表のため使うべきだとの意見もある。
ティエリ・アンリ 参考画像（2014年11月29日）（c）Getty Images
ラジオのインタビューに答えたフランス代表デシャン監督は、「いろいろ意見はあると思う。素晴らしいアイディアと言う人もいれば、そうでないと言う人も。アンリは賞賛されるべき選手だ。だが方法はひとつではない。詳しいことは協会の会長と話し合い、決まったら発表する」と言うに留めた。
2000年代を代表するストライカーの引退時代には、「最後の５分でもいいから、出してあげなよ」「バッジョがスペインとの親善試合でやったようなイメージかな」といった感想の他、「それは期待したいけどさー、いくらなんでも」といった声も聞かれた。
現時点では選手としての招集か、もしくは試合前にセレモニーを用意するのではとする見方もある。
果たしてアンリが再び代表のユニフォームに袖を通す日は訪れるのか。今後の発表にも注目が集まる。
