【小さな山旅】桜の花を見る旅に出る…桜山公園 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【小さな山旅】桜の花を見る旅に出る…桜山公園

オピニオン コラム
日本を代表する花・桜。この花を見ると、無性に花見をしたくなるのは、筆者だけではない筈。
日本を代表する花・桜。この花を見ると、無性に花見をしたくなるのは、筆者だけではない筈。 全 10 枚 拡大写真
春到来。春といえば、桜である。桜といえば、花見である。

ここ数日、仕事で車を走らせていると、桜の花が美しく咲いている姿を目にする。薄ピンク色の花びらがまだ少し冷たい初春の風に吹かれている姿を見て、しばらく花見などやっていないことに気付く。

(花見がしたい!)水戸市に「満開」の開花予報が出された直後の日曜日に、そのように思う。しかし、時既に遅しである。桜は満開の状態になってから、3日ほどで散り始めてしまう。平日は仕事の予定上、花見をしている時間がない。何より、今更花見の計画を練ったところで、スケジュール調整だけで終わってしまうだろう。だが、桜を見ながら酒を飲むのは無理だとしても、せめて桜の花びらをしみじみと眺めたいものである。となれば、思い立ったが吉日である。桜を見るなら「今」しかない。

しかし、その日の開花予報は満開でも、天気予報は雨である。それでも筆者は諦めきれず、「雨の日に出かけるのは嫌だ」とむずがる友人を無理やり引き連れ、小雨がちらつく春の日曜日に、桜の花を眺める旅に出た。

筆者が住む茨城県水戸市で、桜といえば桜山公園である。約370本のソメイヨシノ、里桜、ボタンザクラなどが植えられており、小高い丘の上を桜色一色に染める風景は、美しいというか迫力すら感じられる。更に、隣接している護国神社、千波湖畔にも多くの桜が植えられており、桜の季節はその地域一帯が多くの花見客で賑わいを見せる。その素晴らしさたるや、茨城県外からも観光客が押し寄せるほどであり、県内きっての桜スポットである。

筆者の若かりし頃も、ここ桜山公園で何度か花見をした記憶がある。その時は、桜を見たという記憶よりも、先輩社員にしこたま酒を飲まされた記憶の方が強く残っている。それ以外にも、友人たちと一緒に花見をした思い出もあり、筆者にとって花見といえば、ここ桜山公園が真っ先に思い浮かぶのである。

そのような過去の記憶を懐かしみながら、桜の写真を撮っていると、偶然にも花見に来ていた友人に出くわした。

「花見を終えて、解散するところなんです」

友人は「祭りの後」を楽しそうに振り返りながらそのように言う。「へぇ、そうなんだ」とそっけなく対応をするが、内心は羨ましくて仕方ない。自分も加わりたかったと思うが、「後の祭り」である。

その後、園内を歩くと、桜の木の下には多くの露店が出店しており、その周囲にブルーシートを地面に敷いて酒を飲む人々の姿があった。雨だというのに、もの好きなものだ、と思えれば良いのだが、その楽しそうな場に混ざりたくて堪らない。

時は夕暮れ。公園内に吊るされたぼんぼりには灯りがともり、これから花見客たちは夜桜を見ながら酒を飲むことだろう。この上、更にその楽しげな様子を見せつけられた日には堪ったものではない。一刻も早くこの場を立ち去らねば、後悔と羨望の念に押しつぶされてしまう。

「明日は会社だな」「そうだな。嫌だな」友人と共に憂鬱な気分に浸りながら、桜山公園を後にした。そして、来年は花見をしようと決意をした日曜日の夕暮れであった。

《久米成佳》

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