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【THE REAL】高山薫がゴール裏を目指した理由…湘南ベルマーレをめぐるちょっといい話

オピニオン コラム
「ザムスト」の日本シグマックス、湘南ベルマーレとオフィシャルクラブパートナー契約
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■運命の糸

サガン戦では新たに作られた応援歌の合唱とともに、サポーターから熱い祝福を受けた。試合後の取材エリアで、「これでホッとしたのでは」と高山に聞いてみた。苦笑いとともに、予想通りの言葉が返ってきた。

「そうですね……それは多分あると思います」

ゴール後のもうひとコマ。高山を全力疾走で追いかけたのが、キャプテンのMF永木亮太だった。ともに2011年シーズンにベルマーレへ加入した同期生。もっとも、2人の出会いは2001年。セレクションに合格して門を叩いた、川崎フロンターレのジュニアユースだった。

ユースを卒業するまでの6年間。ともにトップチームへの昇格がかなわず、高山が専修大学、永木は中央大学を経て再びベルマーレで邂逅。10年以上の付き合いがあるだけに、たとえ言葉に出さなくても、高山が抱えていた十字架の重さは理解していた。

だからこそ、永木は気がつけば高山の背中を無我夢中で追っていた。

「(高山)薫が決めれば、やはり他の選手が決めたときには違う喜びがあるので。薫も本当に大変な決断をしてベルマーレに戻ってきてくれて、ホームでやっと決めてくれた。薫も嬉しかったと思うし、僕もそういう彼に喜びを表したかったので行っちゃいました」

数奇な運命の糸はチョウ監督ともつながっている。フロンターレのジュニアユース時代の3年間を指導したのが、指導者の道を歩み始めたばかりのチョウ監督だった。

選手としてだけでなく、人間としても立派に育ってほしい。そういう思いを込めながら、チョウ監督はときには怒声を浴びせることも辞さなかったと、2月に発表した初めての著書『指揮官の流儀 直球リーダー論』(角川学芸出版刊)で振り返っている。

たとえばスパイクを忘れる、あるいは磨いてこなかった子どもに対しては「そのスパイクを買うために、お前のご両親は何時間働いたと思っているんだ」と厳しい言葉で叱責した。

合宿中に集合時間に遅れた子どもに対しては、お金を握らせてこう怒鳴ったこともあるという。

「5000円あればここから帰れる。試合に出なくていい。早く帰れ」

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《藤江直人》

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