あれよあれよと気づいたら岩国市の米国海兵隊岩国基地で、私はブライトリングの翼の上に座っていた。
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翼の上までエスコートしてくれたのは、ブライトリング・ウィングウォーカーズのパフォーマー、エミリー・ギルディングさん。
離陸までに時間があったので、翼の上で色々と聞いてみた。イングランド出身で、先週の火曜日より日本に来日している。2年間、このパフォーマンスのためのトレーニングを詰んできたそうだ。着物を着たことが日本滞在中の最高の思い出。
いよいよ飛行。離陸の瞬間は爆音とともに身体が引っ張られた。首をそのまま吹き飛ばすほどの爆風が身体を突き抜け、肺まで突き刺さってくる。なかなか息をするのが難しかったが、それを忘れさせる景色の美しさ。
飛行機が上下するときの、ジェットコースターのそれとは異質の浮遊感。二度と味わうことのできない体験となった。少し大げさかもしれないが、「鳥になったような感覚」とはきっとこういうことなのだと思った。