【現地レポ】大学合格がゴールではない、オーストラリアの教育
オピニオン
コラム
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日本では自分の夢がなかなか見つからない学生も多いようではあるが、それは育っている環境が大きく左右するのではないだろうか。
筆者が住むオーストラリアの家庭や学校での子供たちの姿を追いかけた結果の日本との違いをまとめてみた。
■オーストラリアの社会
まず小さい頃から学校や家庭では自分の意見を持つことが一番。周りの声を気にすることなく自分の目標が設定可能。オーストラリア人の多くは、他人の目を気にしないように感じる。これも自分の意見を通す一つの要因となっているのではないだろうか。
大学受験というものが存在しないオーストラリアでは学校の勉強だけに集中することができ、また勉強以外の自分の時間を持つことができる。
この二つが日本の子供たちの取り囲む環境との大きな違いであり、子供たちが自分の足ですすむことができるのではないだろうか。
自転車、ゴルフその他のスポーツでも子供たちが楽しめるような環境作りがなされている。あるゴルフ場では、敷地内の一部を子供のゴルフレッスンとして開放。6歳児からレッスンを受けることができる。「6歳ではゴルフなどわかるはずもなく、ただ球を当てて楽しんでるだけ」と、ゴルフ場のスタッフは答えてくれた。
子供を受け入れるだけの施設があり、また子供たちが勉強以外に楽しめる時間が持てるという点が子供たちの個性を育て、夢を持つことに繋がっていく。
■小さい頃からの家庭環境
育つ過程の中で子供も一人として扱われ親と同じ視点で意見を交わす。日本の親子関係とは大きく違い、上下関係というものが存在しない。そうすることで子供たちは自分の意見を持つようになる。この先、自分がどうしたいのか、常に自分の手に託されている。小さい頃から自分で考えて行動する環境にある。
■学校生活
オーストラリアに留学生として来た日本人の学生達とオーストラリアに住んでいる学生たちを比較してみる。
大学に行くことを目標に、中学・高校生活を送る日本とはかなり事情が異なる。ここでは、小さい頃から躾けられた自分の目標というものに向かっていくので、大学に行くことが目標ではない。
中学から高校へ進学し最終の3年生を終える学生は90%弱と言われている(オーストラリア統計2014年)。高校へ進学しない学生たちは職業訓練校やそのまま仕事に就くケースが多いようである。
大学への進学については、本当に勉強したい学生が進むためにカリキュラムはかなり厳しい。入学は簡単だが卒業するのは難しい。大学を中退する生徒も多い。その厳しさの中、学生たちは学びが楽しいと言う、それは自分が夢を持ちその夢への足掛かりだから楽しいのではないだろうか。
大学の卒業式では、様々な年齢や家庭環境の学生を多く見る。それは、大学というところが夢への通過点に過ぎず、必要だから大学に入ったということである。
動画は南オーストラリア州の大学のプロモーションビデオ。スクールライフが映し出されている。
《Australia Photographer Asami SAKURA》
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