振り返ってみれば、このシュートが試合の行方を左右してしまったとも言えます。第4クォーター、ウォリアーズは執拗にカリーにオフボールスクリーンをかけ、スリーポイントシュートを多く打たせようとチーム一丸となります。カリーも4連続スリーポイントシュート成功でチームに応え、ウォリアーズが勝利。カンファレンス・ファイナルへの進出を決めました。
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ステファン・カリー
結果的にはウォリアーズは一度もリードを許さずに勝ちましたが、互いによいところを出し合い、消し合った熱い戦いでした。グリズリーズはインサイドでのダブルチームに苦しみながらも粘り強く攻め、ウォリアーズのインサイドプレイヤーのファウルトラブルを誘発して、少しずつインサイドを支配していきました。
一方のウォリアーズは立ち上がりこそよかったものの第2、3クォーターはグリズリーズのタイトなディフェンスに苦しみました。ですが、最後にエースであるカリーのシュート機会をチーム全員で作り出し、勝利を引き寄せました。まさにそれぞれのチームのよさが出ては消え、消えては出る、凝縮された試合でした。
このカードの決着をもって、旧来型のバスケットボールは廃れ、新たなスタイルが支配的になると考えるのは早計です。ただ、ウォリアーズが新しいスタイルをもっとも体現し、その成果をまざまざと見せつけているチームであることに疑念の余地はありません。
カンファレンス・ファイナルまで駒を進めたウォリアーズ。その快進撃はいつまで続くのか、このままシーズンMVPを受賞したカリー率いるウォリアーズが優勝まで突き進むのか。新旧NBA対決を制したこの新しき力の行方から、目が離せません。