今回取り上げるのは、アトランタ・ホークス対クリーブランド・キャバリアーズのプレイオフイースタンカンファレンスファイナルです。
結果的にスイープで終わったこのカードですが、そこには様々なドラマがありました。カイリー・アービングの2試合欠場、カイル・コーバーのケガ、アル・ホーフォードの退場。
また、小さな覚醒を見せたプレイヤーもいます。イマン・シャンパートは、J・R・スミスの出場停止中にスタメンに抜擢され、確率のよいスリーポイントシュートと堅いディフェンスを見せてスタートの地位を獲得しました。
ケビン・ラブの離脱からチャンスを得たトリスタン・トンプソンは、貪欲なリバウンドの姿勢がオフェンス、ディフェンスの両面で遺憾なく発揮されました。アービングに代わりスタメン起用となったマシュー・デラベドバはスリーポイントシュートとしつこいディフェンスでチームに貢献しました。
しかし、その中でも圧倒的な存在感を見せたのが「キング」こと、レブロン・ジェームズでした。まず、キャバリアーズというチームに視点を向けると、レブロンのチーム復帰に加えて、ラブの加入で、アービングとともに新ビッグスリーを結成しました。
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レブロン・ジェームズ
ただ、スターが集まれば強いというほど単純ではありません。それを如実に示すように、キャバリアーズはシーズン序盤、チームビルディングで非常に苦しみます。それでもシーズン終盤にはチームとしてのまとまりが形成され、カンファレンス2位でフィニッシュ。プレイオフでの好成績を期待されました。
一方で個人的には、レブロンを中心とし過ぎたチーム構成になっているのではないか、と懸念もありました。ラブはもちろん、アービングは新人王に始まり、2014年にはNBAオールスターゲームMVP、FIBAワールドカップMVPを獲得する超攻撃的なポイントガードです。
ポイントフォワードとも言われるガードとフォワードの両方をこなすレブロンとの相性にはビッグスリー結成当初から懸念を抱き、レブロンの存在はアービングの攻撃性を弱めてしまっているのではないか、と考えていました。
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カイリー・アービング
実際にゲームではレブロンがバックコートからボールを持ち、アービングはコーナーで待ってボールに触れないままオフェンスが終わる――というようなことが繰り返される場面もあります。
レブロンはボール保持時間の長さもあってターンオーバー数に課題があり、アービングにガードの役割を譲らないことがチームのリズムを崩してしまっているのでは、と感じたこともありました。
そんな中、イースタンカンファレンスファイナル、チーム力を強みにしたホークスを相手に、アービングが第2、3戦を欠場します。ですが、不安や懸念を払拭するような獅子奮迅の活躍をレブロンが見せてくれたのです。
【レブロン・ジェームズの本領!ホークス対キャバリアーズ 続く】