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ウォリアーズ対キャバリアーズ
ウォリアーズは自らダブルチームで仕掛けることによって、ローテーションの意識をハッキリさせ、レブロンのところでズレが起きないようにしながら、パスもケアするようにしました。意図的にこうしたディフェンスをすることで、ウォリアーズのオフボールディフェンスプレイヤーは明確なカバーの意識が持て、キャバリアーズのワイドオープンシュートは減りました。イマン・シャンパート、デラヴェドバ、J・R・スミス、ジェームズ・ジョーンズなどのシューターたちが軒並みシュート確率を落としたのも、そこに要因があるでしょう。
また、ウォリアーズが大差で勝利した理由として、ふたつの変化を見てみます。ひとつはウォリアーズお得意のアーリーオフェンスが増えたことです。ディフェンスリバウンドを確実に抑え、4番プレイヤーであっても積極的に走ることでウォリアーズは速攻を成功させます。第3戦まであまり見られなかった速い攻めが、第4戦では頻繁に見られました。
もうひとつの変化は、セカンドオプションのシューターたちがきっちりシュートを沈めたことです。ウォリアーズのプレイヤーはベンチメンバーも含めて4番プレイヤーまで広いシュートレンジを持っています。キャバリアーズはスプラッシュ・ブラザーズたるカリーとクレイ・トンプソンを乗せないために全員でふたりのボールタッチとシュート機会を減らしています。
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クレイ・トンプソン(左)
そのため、ほかのシューターたちへのチェックが甘くなるのは致し方ありません。カリーとトンプソンを激しく守る代わりに生まれたフリーを、ウォリアーズはなかなか得点に結びつけられずにいました。とくに第3戦ではハリソン・バーンズが8本のアテンプトすべてを外しノースコアで試合を終えるなど、周囲が得点面でチームを助けられませんでした。翻って第4戦はスタートのバーンズが14得点、アンドレ・イグドラがカリーに並ぶチーム最多の22得点、ダニー・グリーンが17得点と、チームに貢献しました。
【ウォリアーズ対キャバリアーズのプレイオフファイナル第3、4戦 続く】