■断崖絶壁をえぐるオービスク峠(ピレネー)
1903年に始まったツール・ド・フランスが世界最高峰の自転車レースとしての地位を決定づけたのは、当時として自転車で上ることなどだれひとりとして想像できなかった過酷な峠をコースに加えたことだ。1909年にツール・ド・フランスはピレネーにある4つの峠、オービスク、ツールマレー、アスパン、ペイルスールドを越えた。
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オービスク峠(ピレネー)
そのなかでもオービスク峠(Col d’Aubisque)は100年後の今でも当時の面影を残す秀峰だ。急傾斜の断崖絶壁をえぐって、無理矢理に取りつけた道。現在もガードレールなんてない。下りでコントロールを失ったら奈落の底に転落するのみ。近くにあるキリスト教の巡礼地ルルドには宿泊施設もたくさんあるので、ここを拠点として日帰りで走りに行くのがいいかも。
■地上のものとは思えない景観を見せるイゾアール峠(アルプス)
イゾアール峠(Col d’Izoard)は標高2361mで、すでに森林限界を超えており地上のものとは思えないような独特の景観をみせる。屹立した岸壁。長年の風雪によって岩肌が崩れ落ち、極限の傾斜角で斜面を維持している。コース脇には伝説的な自転車選手、ファウスト・コッピとルイゾン・ボベの偉業を称える碑が建てられていて、サイクリストにとっては神がかり的なルートである。
【山口和幸の茶輪記】ピレネーならツールマレー、そしてアルプスはイゾアール峠なのである
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イゾアール峠(アルプス)
【一度は上ってみたいツール・ド・フランスの峠10選(6~4と番外峠) 続く】