【THE REAL】変幻自在のドリブラー、20歳のMF関根貴大が浦和レッズにもたらす勝利への化学変化
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
■ドリブラーのマッチアップ
ともにドリブラーを自負するふたりのマッチアップ。臆することなく仕掛けた関根が最初の勝負を制した瞬間に、90分間を通した雌雄も決していたのかもしれない。
左右の両足を巧みに駆使し、緩急と前後左右へのクイックターンを織り交ぜる関根の変幻自在なドリブルに、菊池は後手を踏み続ける。体勢を大きく崩し、尻もちをつきかけた場面もあった。
両チームともに無得点の均衡が破れたのは後半13分。輝きを放ったのは関根だった。
右サイドでパスを受けて、ここでも菊池と1対1の状況を作り出す。ドリブルを警戒して間合いを詰めてこない菊池の心理を見透かすように、関根はMF柏木陽介にボールを預けて前方のスペースへ飛び出す。
柏木が前方へ送った浮き球のパスを、走り込んだFW興梠慎三が巧みに後方へ落とす。フォローした関根がボールを支配下に収めたとき、周りにベルマーレの選手は誰もいなかった。
相手ゴールからマイナスの方向へダイレクトで折り返した、関根のクロスに反応したのはDF槙野智章。ゴールから遠ざかりながら腰を強烈にひねって右足を一閃すると、強烈な弾道がネットを揺らした。
■「決めてくれた槙野君には感謝してます」
値千金の決勝弾をアシストした関根が、苦笑いしながら殊勲のシーンを振り返る。
「相手ゴール前に顔を出すことは意識していたし、そのなかで(興梠)慎三君が落としてくれたボールを中へ折り返して、槙野君が決めてくれたのはすごくいい形だと思う。あそこになぜ(ディフェンダーの)槙野君がいるのかなとは思ったけど…身体能力の高さというか、ゴールに向かう執念というか、ゴールを決めてくれた槙野君にはホントに感謝しています」
中国・武漢で開催されていた東アジアカップで、日本代表として3試合すべてに先発フル出場。帰国後も疲れを見せることなく暴れ回る槙野が、ヒーローになった理由を明かす。
「湘南は自分たちにポジションやシステムをはめてくるので、目の前の相手に対して『個』で勝ることが非常に大きなポイントになると監督も言っていた。それならば、自分が相手ゴール前に入っていけばいい。流れのなかで相手ゴールへ向かうプレーができているのは、ゲームを読めている証拠。相手が嫌がるプレーというか、相手が嫌がる走りができていると思う」
システム上では、槙野はベルマーレのFW菊地俊介とマッチアップする。菊地を自陣にまで下げさせ、その上でマークをはがしてシュートを見舞った槙野。何よりも菊池を翻弄し続け、決定的なパスを送った関根。鏡に「ヒビ」が入るどころか、音を立てて「砕け散った」瞬間だった。
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《藤江直人》
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