岐阜県では県岐阜商や関商工、岐阜といった名門校や甲子園経験校とも試合をこなしてきている。長野県でも松商学園や丸子修学館、今年は小諸商と試合を予定していた。ただ、松商学園との試合は天候不順で流れてしまったという。
「全国的にも知られている学校と試合をすることで、選手たちが感じて得られるものもあるはず」という宮本監督の方針もあって、片倉高校は名門校や伝統校とも積極的に試合を組んでいく姿勢が顕著である。こうしたことも高校野球としては、やはり大きな要素ではないだろうか。
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練習試合では、一つひとつのプレーを反省していくことも大事
千葉県では8月下旬に一次予選が終了しており、9月早々から二次予選という日程になっている。一次予選では敗れてしまった四街道高校の柴田仁史監督は、「千葉県は、(最初の公式戦が)早いですから、とりあえずチームを作らなくてはいけないんですが故障者が多くてねぇ。なかなか思うようにはいきません」と頭を抱えていた。それでも東京都などの人間からすれば、「一度敗退しても、とりあえず立て直すことができる期間があるのはいい」とうらやましがる向きもある。
秋季大会は各都道府県の事情などにもよるのだろうが、その運営方法なども異なる。そんな違いを比較しながら見つめるのも、秋季大会の楽しみ方かもしれない。
千葉県の二次予選も9月になった最初の週末に訪れてしまう。四街道高校の故障した選手たちは間に合いそうもないので、柴田監督のテーマはとりあえず今の選手たちでどう戦っていくかだ。それだけに本音としては、何とか予定していた2試合をこなして、その中でいろいろ試してみたかったというところではあろう。
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会場校はアナウンス練習も大事
いずれにしても、そんなさまざまな事情が交錯しながらも新学期を迎えて、秋季大会を迎えていく。それが高校野球の暦でもある。
秋季一次予選の会場校にもなる片倉高校の場合は、マネージャーは大会に備えて、運営準備の予行演習や試合進行のアナウンスなども、練習メニューのひとつとしてこなしていた。こうしたことを含めて、高校野球は成り立っているのである。
秋にはそんな一連のことも、改めてフレッシュに感じられる。