六校枠の近畿地区は、優勝した大阪桐蔭と準優勝の滋賀学園に、ベスト4に進出した明石商と龍谷大平安は確実だろう。府県としてもバランスがいい。大阪桐蔭の左腕高山優希は180cmの上背からの投げおろしで、注目の投手だ。
残る二枠の争い。奈良県1位の智弁学園は実績もある力投派の好投手村上頌樹を擁している。準々決勝では大阪桐蔭に力負けして9点を失ったものの、地域的にも選出される可能性は高い。
大阪桐蔭の左腕・高山優希
残る一枠は地域を優先して市立和歌山か、準々決勝の戦いぶりで、滋賀学園に延長14回の末に敗れた報徳学園の争いだろう。市立和歌山は兵庫1位の明石商に7回コールドの0-7で敗退しているが、報徳学園は県大会決勝で明石商に0-2で敗退。
しかも、近畿大会1回戦では滋賀県1位の北大津を下している。ここは、地区大会の実績と戦い方を優先して最終的には報徳学園が選出されるか。
■中国・四国地区
中国・四国地区は五校選出。各地区二校ずつ、プラス一枠をどちらにするかで毎年難しい選考となっている。今回は明治神宮大会で高松商が優勝したことで、明治神宮枠がもらえて四国三校は確実。問題はさらに一枠が四国に与えられるのか、中国地区にふられるのかだ。
確実なのは地区大会決勝進出校で、中国地区は創志学園と南陽工、四国地区では高松商と明徳義塾。そして明治神宮枠の恩恵が済美か土佐かというところだが、地域制では済美が有利となる。
ただ、センバツの特性などを考慮した場合、甲子園で人気がある土佐もかなり有力だ。プラス一枠が四国へ回ってきて、四校選出の可能性も高いだろう。こうなると中国の三校目、如水館と開星は可能性がなくなる。
また、この両地区は21世紀枠代表との絡みもありえる。四国地区では小松島、中国地区では出雲が推薦されている。単純に秋季大会の実績と内容で見ていけば、準決勝がいずれも1点差という接戦、四国三校に神宮枠のプラス一で四校、中国地区は決勝進出の二校となるか。
■九州地区・21世紀枠代表校
四校枠の九州地区は、スムーズにベスト4の四校で決まりか。優勝した秀岳館は社会人野球でも実績を上げた鍛治舎巧監督が就任して注目されている。ストッキングの黄色も甲子園ではインパクトを与えそうだ。準優勝の海星に日南学園と鹿児島実業、いずれも県大会で優勝しており文句なしだろう。鹿児島実業は2試合を二桁得点でコールド勝ちしており、攻撃力は高く評価されそうだ。
秀岳館のストッキング
難航を極めそうなのが、毎年のことながら21世紀枠代表校だ。地区の推薦校九校のうち、消去法で釜石、小豆島、出雲、八重山の四校が残りそうだが、東日本ではスムーズに釜石となるか。岩手県大会2位で、東北大会でも初戦で強豪東北と延長を戦っており、粘りの投球を見せた岩間大も評価されそう。
西日本ではバランス的に出雲が選出されるのではないだろうか。地域一番の進学校、文武両道、県大会3位で出場した中国地区大会で広島国際を下してひとつ勝っていることも大きい。山陰地区と対決となった準々決勝で開星に県大会の返り討ちとなってはいるが、9回までリードしてサヨナラ負け。負け方が評価されるのもおかしいが、全国で戦えるレベルと評価されているのではないだろうか。
あと一校はさらに難しいが、明治神宮大会優勝の高松商を県大会で下して優勝している香川県1位の小豆島か。四国大会では土佐に1点差で負けたが、史上初の四国五校となる可能性もありそうだ。
以上、センバツ代表校を予想してみたが、あくまでこれは私の推測。ズバリ当たるのかどうか、主催者や選考委員の思惑もあるので何とも言えない。線上にある学校は発表まで落ち着かないのが本音だろう。
