中野:やる気がないときがキツいですね…。色んなスポーツをやってきましたけど、「とりあえず漕ごうか」とはならないんですね。やるならやるっていうスポーツ。
ランニングだったら、とりあえずジョギング、調子に乗ってきたらスピードを上げてみようとあると思うんですが、ボートは敷居が高いんですね。
---:ボートをやっている人は日本でどれくらいいますか?
中野:競技人口は8000人ほどいるらしいです。(日本代表の)選考の基準は高く、選考に参加したのは10人くらいでした。自分の種目は一人乗りで、10人くらい集まって、上位ふたりをダブル(二人乗り)にする感じです。
---:チームを持っている企業は多いのでしょうか?
中野:10社くらいです。ボートの練習を勤務として認めてくれるのは5、6社くらい。ボート部があるところならもう少しあります。
---:競技を見る時、どこに注目すると面白いですか?
中野:自分が初めて大会を見た時に、「すっげーつまんねえ競技だな」と思ったんですね(笑)。レースを見る楽しさより、綺麗なんですよね、ボートを漕いでいる人や風景が。
見ていただければわかると思うのですが、普通(のスポーツ放送)はアップで映すじゃないですか。でも、遠くから見る方が綺麗なんです。優雅で、静かで。だいたい川とか湖とか大自然の中でやるので、綺麗ですね。
---:レースは何分くらいやりますか?また、レース中に周りを見ること?
中野:6分ぐらいですね。(周りを見るかは)人によりますね。すごい見る人もいれば、自分はあまり見ないほうですね。
---:大学生の頃から9年ほど競技を続けています。ボートの魅力とは何ですか?
中野:嘘をつかないところですかね。結果が出る出ないにしろ、この練習をしたらここまで行くってことがちゃんとわかる。この練習をしたらここまで、他の練習をしたらここまでみたいな。
(その2へ続く)
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●ボート・中野紘志選手に聞く
その1 最初は「つまんねえ競技だな」と思った
その2 会社を辞めてまで打ち込む原動力「生きた証を残したい」