【THE INSIDE】侍ジャパンの強化試合、来年WBCへ向け好感触 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE INSIDE】侍ジャパンの強化試合、来年WBCへ向け好感触

オピニオン コラム
侍ジャパンの小久保裕紀監督 参考画像(2015年11月21日)
侍ジャパンの小久保裕紀監督 参考画像(2015年11月21日) 全 3 枚 拡大写真
世界野球プレミア12での敗戦から4カ月。侍ジャパンが来年のワールド・ベースボール・クラッシック(WBC)を見据えて、台湾代表チームを相手に腕試し。2試合とも好感触を得たようだ。

プロ野球オープン戦も佳境に入ったところで、シーズン本番前に小久保裕紀監督率いる侍ジャパンに招集された選手たち。選ばれた以上は代表のプライドを示すような会心のゲームをファンの前に披露したのは、さすが侍ジャパンだった。

■批判を受けたプレミア12

昨年11月。プレミア12の韓国戦では9回に痛恨の逆転負けを喫してしまった。改めて継投の難しさも痛感させられた試合でもあったのだが、誰よりも小久保監督が一本勝負での采配の厳しさ、難しさを実感しただろう。また、その悔しさもひとしおだったに違いない。

負け方が負け方だっただけに、多くの批判の声も受けた。代表選手の選出方法や選出したメンバーの顔ぶれそのものに対しても、批判の目が向けられた。それぞれの役割を明確にしていきながら、どのように戦っていくのか。そのためにどんな選手が必要なのか。今回の強化試合でも試していくことになっていただろう。

2月からの各球団のキャンプを視察して回りながら、小久保監督は選手個々の適正と役割も見出そうとしてきていた。そうした中で、第1戦では初選出の選手がそれぞれ結果を出して安心させた。

■世界一奪回へ向けて

まず第1戦。打者では清田育宏(ロッテ)だ。2回に二死一塁で8番に入っていた清田に打順が回ってきて、きっちり中前打してつなぐと中村悠平(ヤクルト)。中村は嶋基宏(楽天)の直前の負傷欠場によって、代わって先発マスクを被っていた。バットでも存在感を示し、このチャンスで強烈に三塁線を破った。二塁走者に続いて一塁走者の清田は好走塁で一気にホームインしてこの回2点となった。清田の思い切った走塁も光った。

投手陣では先発の菅野智之(巨人)がほぼ完璧な3イニング30球、1安打のみの無失点。大野雄大(中日)、小川泰弘(ヤクルト)と2イニングずつつないで0点に抑えたが、小川は6人を完全に抑え込んだ。

そしてプレミア12でも課題となった、セットアッパーの役割として初選出された秋吉亮(ヤクルト)は、独特のクセ球で三者三振と台湾代表を戸惑わせた。最後の増井浩俊(日本ハム)もぴしゃりと3人で締めた。


プレミア12での中田翔(左)と筒香嘉智

開幕前のタイミングで始まるWBC。そのコンディション作りの難しさは、毎回問われていることだ。今回の強化試合のテーマとしては、そのコンディション作りの確認という意味合いもあっただろう。そういう意味では、山田哲人(ヤクルト)、中田翔(日本ハム)、筒香嘉智(DeNA)、平田良介(中日)といった中軸も、中田は安打こそ出なかったが、それぞれ確かな調整ぶりを示していた。平田は3回に貴重な2点打を放ち、クリーンアップの後にも手を抜けない打者がいることを十分に示した。

平田は第2戦でも巧みな広角打法で満塁走者一掃の長打を放ち、筒香も期待の一発を披露している。

その第2戦では、プレミア12で見つかった課題を一つひとつ消化しながら、「ここで誰が何をできるのか」ということを確認していた。球数制限のあるWBCでは、先発完投はあり得ない。どうしても"第二先発"となっていく投手も必要になるのだが、その後の中継ぎも課題である。

第二先発的には小川、大野とともに西勇輝(オリックス)が十分にその立場を示してみせた。一番の課題となった中継ぎ投手の起用に関しては、秋吉に続いて初招集の刀根千明(巨人)や森唯斗(ソフトバンク)などもその役割を十分に果たした。

来年のWBCでは一次予選で当たる確率も高い台湾相手の強化試合。先制点を奪ってシャットアウトという戦い方と、先制されてもすぐに追いつき、逆転。そして最後は長打力で叩きのめすという戦いぶり。それぞれ異なった試合で台湾を下したことで、層の厚さも印象付けたと言っていいだろう。

来年の世界一奪回へ、まずはいい感触を得てシーズンに突入できそうだ。

《手束仁》

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