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【THE INSIDE】プロ野球が開幕間近!ダークな話題は払拭してLet’s Baseball

オピニオン コラム
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■チームで違うファンの傾向…パ・リーグ

一方、パ・リーグでは近年の実力同様にファンの目も鋭い。戦力分析などヘタな野球評論家よりはるかに正しいことがある。過去と比較しながらの分析もしっかりとできている。

●ソフトバンクファンの場合
このところ常勝軍団になってきたソフトバンクファンは、最初に1位と決めておいてその下を冷静に分析していくタイプだろう。その通り1位になってしまうのだから恐れ入る。正直、2016年も戦力は頭ひとつ抜けている。1980年代の西武並みの充実ぶりではないだろうか。余裕を示しながらのファンである。

●ロッテファンの場合
熱いのはロッテファンで、これは付き合うと大変なことになる。一緒に観戦に行くと外野で踊らなくてはいけなくなってしまうので、オジサンには疲れる観戦スタイルだ。しかし戦力分析は冷静で、かなり正しい。「応援することと順位予想は別」という意識だ。選手の出身校などにも詳しい人が多く、千葉県出身の選手が当場すると出身校で声をかけるコアなファンもいる。

●日本ハムファンの場合
幅が広いのが日本ハムファン。これは球団の幅広いファン獲得作戦も功を奏している。北海道にプロ野球文化を築いた開拓者精神もある。大谷翔平の二刀流を応援しつつ「投手に専念すべき」と言ってみたり、斎藤佑樹を冷静に見極めたり、辛口な部分もある。また、中田翔の一発や陽岱鋼の派手なプレーに驚喜したり、応援スタイルも幅広い。 

●楽天ファンの場合
これに対して楽天ファンはその球団の成り立ちの時から応援している人も多く、新しいもの好きというか進取の気性に富んでいる。田中将大がメジャーリーグへ進んだ後も、新しいスターを求めている。チームもそれに応えているかのように松井裕樹や安樂智大、今年はオコエ瑠偉を獲得。ドラフトに強く、高校時代からの人気選手を入団させることでファン層の拡大につながっている。

●西武ファンの場合
近年やや地味な感じを否定できなくなったのが西武だが、ここもファンの目は肥えている。いささか不便という批判は免れない西武ドームまで足を運ぶ熱心さ、それだけでも立派だ。そしてせっかく来たのだからとじっくり観ていくことで眼識を養うのだろう。環境のなせるワザか、野球に興味のない家族も連れてくる光景も外野の芝生でよく見られる。肝心なところでトイレに席を立つ野球音痴の妻に、ルールを教える夫の姿もある。

●オリックスファンの場合
同じく地味な印象のオリックスだが、かつて阪急の時代には"玄人ファン"と呼ばれる人が多かった。だから古くからのファンは渋い顔をして、腕を組みじっとプレーを観るという昭和スタイルのオヤジも少なくない。ところが近年は"オリ姫"なる女性ファンが急増して、スタンドの雰囲気が変わってきている。イケメンの伊藤光や駿太、童顔の西勇輝などのファンが多い。だから順位予想も贔屓べったりになっていく。

いずれにしても、そんな多士済々のファンによってプロ野球は支えられている。開幕前に清原和博被告の逮捕に始まり野球賭博問題や声出し金銭授受など、グラウンド外のダークなニュースでスポーツ紙をにぎわせてしまった。

それだけに開幕後は観る者を唸らせてくれる「これぞプロ野球!」というプレーをしてほしい。これは、思っているというよりも、願っているといった方が本心である。
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《手束仁》

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