オフィスでのデスクワークにも意味を見出せません。
なぜ僕はここにいるんだろう。
なぜ僕は生まれてきたんだろう。
僕の周りにいる人は、実は自己意識の消えた、客観的存在として生き続けているだけのゾンビなんじゃないか。
実は僕もそうなんじゃないか、おさかなのソーセージが食べたいな、と悶々としながら無機質なキーボードを叩く日々です。
今日は夕飯、何食べよう…
かったりぃ~。
快適なところへ行きたい。あわよくば南の島で自然を感じながら走り回りたい。
ああ。なぜ僕は生まれてきたんだろう
もぉ、いやぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!!!!!!!!
ここではない
どこかに
行 き た い ッ!!!!!
おっ
これ乗っちゃおうカナ
チケットくださ~い
現実逃避をいつでもできるよう、僕は常日頃からパスポートをカバンに忍ばせています。思い立ったらすぐグアム!
出国しちゃいます
待ってろよ、グアム…
搭乗して機内食を食べて、ちょっと眠ったら…。
着いたぞ、飛行機でたった3時間半の南の島、グアムじゃあああああああああああああああ!!!
ああ、グアム…
しかし、思いつきで飛行機に乗ったためグアムに到着した時間は深夜2時…。空港の外に出た時のムワムワとした暑さに南国らしさを感じましたが、あまりグアムに来た気がしません。とりあえずホテルで一眠りして、朝になったらグアム探索に出かけることにしました。
そして一夜が明けました。
着いた時には暗闇で分かりませんでしたが、ホテルの前には青々とした海が!
グアムの海!
天国や…
ホテルには素晴らしく広いプールまで
スキップしながらホテルを出て街に繰り出すと、海の近くに建つ大きなビルが目に入りました。やたら大きな広告が出ています。
外国ってこういう大きな広告多いですよね
GUAM MARATHON…?
…ぐ、グアムマラソンっ!?
グアムマラソンインターナショナル2016だと!?
目に入った巨大広告に心を揺さぶられた僕は、グアムインターナショナルマラソン2016(以下、グアムマラソン)に参加することにしました。
喧騒の地、東京を逃れてやってきた快適を具現化したようなこの島、グアムで開催されるマラソンですから、快適じゃないわけがありません。
走るぞぉぉぉ!!!!!
その気になった僕は、参加者ゼッケンをもらいにグアムマラソンエキスポに参加しました。
エキスポ会場はあっちです→
エキスポ会場が近づいてきました
これが入り口です
東京マラソンの際も、東京ビッグサイトで行われているエキスポの取材に行ったことがあります。しかし東京マラソンエキスポは会場の面積が広くブースもとても充実していましたが、お客さんも多いので疲れた記憶しかありません…。
それに比べて、このエキスポの小規模なこと。
グアムのお姉さんたちが出迎えてくれました
テンションが上がりすぎてマネキンのモノマネをはじめだす
エキスポで高橋尚子さんがトークショーするみたい
小規模なぶん、すごくアットホームな雰囲気。あまりに居心地が良すぎて7周くらいしてしまいました。ちなみに、東京マラソンエキスポで7周したらリアルに半日かかります。
参加者も多国籍ですね
参加者の名簿がありました
ここに名前があれば参加できるんですよね。思い立ってグアムに来ちゃいましたが、名前が無かったら指をくわえてランナーを見ているだけになってしまいます。
な、名前があった…
これはまさしく運命です。僕はグアムマラソンを走るために、これまで東京の雑踏で生き抜いてきたんですね…。
隣にコース図がありました。海沿いを走る素晴らしいコース!
左上がスタートで、右に走って行って折り返し。フルマラソンはY字型のコースです
参加できることを確認したので、エキスポも楽しんじゃいましょう。
足跡に沿って歩きましょう
ユナイテッド航空ブースで記念写真を撮る皆さん
記念グッズがたくさん
こちらは本物のマネキンさん
補給食もたくさん売っていました
グアムのお土産も売っています
ミス・アース・グアム2016の美人さんがいました
踏み台昇降のような謎のゲームで対決。ドン引きされるほどガチで挑みました。圧倒的勝利!
やたら甘いスポーツドリンクを飲んで一休み
グアムちっくなTシャツちょっと欲しいかも…
謎のバトルで現地人に圧倒的勝利をし、現地アイテムを次々と獲得。エキスポが終わるころには、すっかり現地に溶け込むことができました。
グアムなお兄さんが何か作っています
頭にかぶせてくれました
僕はもうすっかりグアム色に染まってきています
グアムのお姉さんと、日本では一度もしたことないセルフィー
I LOVE GUAM!
グアムマラソンは、「Qちゃん」の愛称で親しまれているシドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんがアンバサダーを務めています。エキスポでトークショーを繰り広げ、多くの参加者が耳を傾けていました。
Qちゃんこと高橋尚子さん
コースの特徴、走り方のコツなどを伝授してくれましたが、「悪魔の誘惑には乗らないでください」という厳しめの忠告。初めてのフルマラソン、足がすくんできました…。
補給地点でもらう水の入った紙コップは「取ったらつぶしてフタをする」という話など、ランナーに役立つ話を沢山してくださいました。なるほど、これは参考になります。
グアムはとても暑いので、快適に走ることができるようにフルマラソンのスタートは朝の3時です…。日本のマラソン大会では考えらない時間です。エキスポ会場の近くに手頃なソファがあったので、ちょっと仮眠しておきました。快適です。
おやすみなさい
ノースリーブで走ればちょうどいい気温だと思ったので、グアムマラソン記念ウエアも買っちゃいました。
米国サイズ表記なので試着
記念ウエア、ゲットだぜ
エキスポを満喫しすぎた僕はホテルに戻ってベッドにもぐりこみました。なにせフルマラソンのスタート時間は3時です。太陽がグアムの海に沈む前に、眠りの海へとダイブしました。
そして深夜2時前に起きて、スタート地点に向かいました。見上げれば、満天とまではいきませんが美しい星空が広がっています。
スタート地点はこんな感じ
このゴールに戻ってきます
これで走ります!下は水着です
スタート前のダンス。なんだかグアムですねえ
エキスポにいたお姉さんたちでしょうか?
米国国家斉唱もありました
フルマラソンのスタート時間が迫ってきました
スタート前の緊張感。ドキドキです
緊張のカケラもなさそうな韓国人ランナーも。みんな楽しんでいます
いよいよです!
高橋さんがスタートの号砲を鳴らしました!
いよいよ、グアムマラソンがスタートです!
僕にとっては初めてのフルマラソン。行ってきます!
ランナーたちが一斉に走り始めました
参加人数もそう多くないので、「300mも走れば先頭を走っているような爽快感を味わえます」と高橋さんが話してくれましたが、まさにその通り。快適だー!!
気持ちいいー!!!
開始1km地点。暗いのでよくわかりませんが実は登りなんです
昼間に訪れたらこんな場所。1km地点は右上です
この坂を越えたら緩やかなアップダウンがしばらく続きました。
少しの街灯とクルマのヘッドライトだけ
5km地点。まだ大丈夫
水分補給もバッチリです
スマートフォンのアプリで走行チェックの余裕も
まだ太陽も昇らない時間帯だというのに、現地の方々や大会ボランティアの皆さんが一生懸命応援してくれます。
嬉しい、僕はひとりじゃない。
ガレージから歌で応援してくれるバンドもいました。
近所迷惑じゃなかったらいいのですが…
グアムマラソンでランナーを歌で応援する人々。ラララ~♪
CYCLEさんの投稿 2016年4月9日
人は孤独じゃないと意外と走ることができます。
東京にはない人の温かさを感じます…。
9km地点に高橋さんがいました。
沿道のお姉さんはガラスが割れんばかりの甲高い声で応援してくれました。ただ単に叫んでいるだけのような気もしますが…。
グアムインターナショナルマラソン、応援がスゴイ https://t.co/mSThIwNLGS
— CYCLE-やわらかスポーツ (@cyclestyle_net) 2016年4月18日
6時ごろ、星空から朝日に変わる様子を走りながら味わえました。景色の移り変わりがドラマチックすぎます。
日々の嫌なことをすべて忘れて、美しい景色に酔いながら無心になって走りました。石ころをひとつ落とせば、どこまでもそれが落ちていく様子を見通せそうなほど透明な海を見渡しながら、一歩一歩ゆっくりと足を進めます。
グアムの景色を眺めながら走れます
早朝のグアムを走るランナーたち
僕はグアムが大好きになりました。
高橋さんは走っている時、その舞台がオリンピックであろうと、「特別なことは考えていなかった」と言っていました。街を歩いている時と大きく変わらず、「風が強いな、あの人かわいい服着ているな」など考えているそうです(30km以降は、ある程度分析しながら走るようですが)。
初めてのフルマラソン、確かに僕も考えることは普段と変わりませんでした。考えるというより、感じる、という方が近いです。
かわいい応援団がいました!疲れていましたが元気が!ありがとう!
40km到達
風が気持ちいい。海が綺麗だ。
なんで僕走っているんだっけ…。
やっとの思いでゴール近くにたどり着くと、イけてるお姉さんたちが僕を迎えてくれました。
人生で初めて渋谷系男子になれました。とても嬉しい。
イケてるお姉さんたちに別れを告げると、ゴールがついに視界に飛び込んできました。
安堵しかけた、その時です。
「きゅ、Qちゃん!!」
グアムマラソンのアンバサダーに就任している高橋さんが、僕をゴールで出迎えてくれました。9km地点での応援を終えた後は、ゴールでランナーを待っていたそうです。
「さぁ、あと少しだよ、頑張って!」
「ふぁ、ふぁい、頑張りますッ!!」
喜びと達成感の涙と鼻水で顔を濡らしながら、
高橋さんと手をつないだ僕は、
ついにゴールにたどり着く事ができたのです!!!
右端にイケてるお姉さんがいます
ついにゴールが…
Qちゃんと一緒にゴールです!
僕の公式タイムは6時間42分18秒でした、制限時間ぎりぎり(笑)
ゴールの先にはレッドカーペットが敷いてあります。
この厳しいマラソンを乗り越えたものだけが歩くことのできる栄光の絨毯。朱に満ち満ちた布の上に転がる砂利が不思議な調和を織り成しています。
本当のゴールが僕を待っていたのです…。
そう、海です。
マラソンで火照った体をそのまま海で癒すことができます。数多くの魚やサンゴが目と鼻の先に。つめたい塩水が、熱をむんむんと発する僕の足や手を冷ましていきます。
か、快適すぎる…。
完走できました!
公式タイムです
南の島で過ごした3日間。
東京とは違って、本当に快適、爽快でした。人の群れに嫌気が差して飛び出した先に待っていたのは、人の暖かさでした。東京に帰っても、また元気にやっていける気がします。
グアムのお姉さんと記念撮影
それからゆっくりとホテルへ戻り少し休み、グアムを後にしました。
ありがとう、グアム!ビシっと仕事に戻ります!!
生きていく目的が見つかった気がします!!
帰国!
翌日。
かったりぃ~
(取材協力 グアムインターナショナルマラソン)