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【THE REAL】FC東京のマルチプレーヤー・橋本拳人が抱く夢と熊本への想い…リオの舞台で一人5役を

オピニオン コラム
橋本拳人 参考画像(c) Getty Images
橋本拳人 参考画像(c) Getty Images 全 5 枚 拡大写真

4月中旬に静岡県内で開催した短期合宿に初めて招集された橋本は、ガーナ代表を佐賀県のベストアメニティスタジアムに迎えた、5月11日の国際親善試合で先発に抜擢される。

他の選手を試す目的もあって、橋本は前半限りでベンチへ退いた。それでも試合後の指揮官は、橋本をはじめとする選手数人の名前をあげながら「パイが広がってきている」と及第点を与えている。

「橋本はリーチもあって、足の長いアフリカ勢に対してもしっかりと攻撃の芽を摘んでくれた。今日のボランチ勢に加えて(過密日程を考慮して招集しなかったキャプテンの遠藤)航もいると思うと、ものすごく大きな可能性を感じた。航の存在を忘れさせてくれるくらいの活躍だったと、試合が終わった直後に(日本サッカー協会の)霜田正浩技術委員とも話したくらいですから」

■勝負したいポジションは

オリンピック本大会でベンチ入りできるのは18人。ワールドカップなどの国際大会より5人も少ない。ゆえに一人で複数のポジションを務められる選手が必要となる。

ボランチ、サイドバック、サイドハーフ、そしてセンターバック。4つのポジションで遜色なくプレーできる橋本は、センターバックとサイドバックにけが人が続出している状況において貴重な存在となる。

ならば橋本自身は、どのポジションで勝負したいと考えているのか。あるいは、どのポジションにもっとも自信をもっているのか。返ってきたのは意外な言葉だった。

「どのポジションに入っても、そこに自分がいる意味というものを出したい。たとえばレッズ戦のようにサイドハーフに入ったときには、積極的に前線からプレスをかけ続けて、攻撃時にはゴール前へ入っていくプレーを明確に出す。常に存在感を放ちたい。特別どこがやりやすくて、どこがやりにくいというのはありません。出たポジションで結果を出したいと常に考えています」

サイドバックならば、どのような存在感を放つのか。ちなみに、FC東京でもサイドバックに故障者が続出したことを受けて、今シーズンから本格的に挑戦したポジションでもある。

「やはり1対1の場面での守備と、攻撃に入ったときには積極的にオーバーラップを仕掛けて、クロスで終わるところは常に出していかないといけないと思っています」

FC東京の育成組織であるFC東京U-15深川、U-18を通して主戦場としてきたボランチになると、言葉にいっそう力が込められる。

「ボランチだけでなくセンターバックのときも、中央にいるときには自分の一番の武器であるボール奪取から、前線へ起点となるパスを出すプレーは得意としているところなので。攻守にわたって常にアグレッシブにプレーするところを、自分のなかでは意識しています」



橋本拳人 参考画像


■初出場、初先発、初シュート、初ゴール

アグレッシブさとダイナミックさ。どんな役割を任されようが、橋本はこの2ヶ条を必ず自らに言い聞かせる。たとえば2015年6月7日。左サイドハーフで先発を果たした、松本山雅FC戦の前半28分だ。

左サイドを駆け上がったDF太田宏介(現フィテッセ)が放った低空クロス。捕球体勢に入った相手GKの眼前へトップスピードで、スライディングするように飛び込んできたのが橋本だった。

目いっぱい伸ばした左足に触れて、軌道を変えたボールがゴールへと吸い込まれていく。J1における「初出場、初先発、初シュート、初ゴール」という珍記録が達成された瞬間だった。

初もの尽くしの雰囲気にのまれ、ちょっとでも臆していたら、おそらくは生まれなかったゴールといっていい。橋本自身も試合後に「絶対にやってやる、という気持ちだった」と心境を明かしている。

【次ページ 強靭なメンタルと運動能力に支えられる果てしない可能性】
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《藤江直人》

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