序盤はチリッチのペースだった。長身から打ち下ろす強烈なサーブを武器にエースを奪っていく。タイブレークを制して第1セットを奪うと、続く第2セットも連取して準決勝へ王手をかけた。
追い詰められたフェデラーだが、ここから驚異的な粘りと執念を見せる。チリッチのお株を奪う強烈なファーストサーブに、前2セットよりも速度を上げたセカンドサーブ。後がない状況でより攻撃的になった。
第3セット第7ゲームは0-40と追い込まれるが、そこから5連続ポイントでキープ。続く第8ゲームをブレークしてセットを奪い返した。
第4セットは今大会のベストバウトに挙げられる激闘となった。互いにブレークポイントをセーブしてタイブレークに入ると、フェデラーはチリッチのマッチポイントを3度しのぎ、チリッチもフェデラーのセットポイントをしのぐ。長いタイブレークの末に11-9でフェデラーがセットを奪い返した。
サーブの確率が落ちてきたチリッチに対し、尻上がりに調子を上げてきたフェデラー。第5セット第8ゲームをブレークすると、直後のゲームをキープして熱戦に終止符を打った。
この試合にテニスファンからは、「フェデラー最後サービスエースで決めるのカッコいいな」「2セットダウンからの逆転勝ち。フェデラーやっぱ最高だわー!」「フェデラーすごすぎて言葉もない」「そりゃ観客もスタンディングオベーションするよ…チリッチほぼ完璧やったしマッチポイント何回あったん」「カッコ良すぎる逆転勝ち。序盤で絶対にチリッチの圧勝だと思ったもんな…」などの声が寄せられている。
激闘を制したフェデラーは、準決勝でミロシュ・ラオニッチと対戦する。
Roger Federer edges Marin Cilic in a thriller - 6-7 4-6 6-3 7-6 6-3 - to reach his 11th #Wimbledon semi-final pic.twitter.com/wtRQLmrUTH
— Wimbledon (@Wimbledon) 2016年7月6日