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【THE REAL】ファジアーノ岡山・矢島慎也が手倉森ジャパンにもたらす輝き…J2の舞台で磨かれた心技体

オピニオン コラム
矢島慎也 参考画像(2016年1月30日)
矢島慎也 参考画像(2016年1月30日) 全 7 枚 拡大写真
次にパスの受け手としてはどうか。味方にパスを出してから、再び自分が受けて相手ゴールに迫るプレーをどんどん増やしていきたいと、矢島は新たな課題を掲げている。

「点を取れるボランチはやはり重宝されると思うし、その意味でもパスを出してから(相手ペナルティーエリアの)中へ入っていって、相手と駆け引きを演じながら(最終ラインの)裏へ出たり、足元でもらったりするプレーも続けていきたい」

ボランチとしてプレーした昨シーズンの後半戦で、揺るぎない信頼を得るに至ったのだろう。期限付き移籍を延長し、「24」だった背番号を今シーズンから「10」に変えた矢島は、U-23日本代表に招集されてトゥーロン国際大会を戦った間の2試合を除いた22試合で先発。平均プレー時間は引き続き約89分を数えている。


矢島慎也 (c) Getty Images

昨シーズンの後半から生まれているサイクルにもたらされた成長の跡を、ピッチの上で明確に具現化させたのが、U-23日本代表の一員として戦った6月29日のU-23南アフリカ代表との国際親善試合だった。

■磨かれてきたプレー

1点を追う前半37分。MF井手口陽介(ガンバ大阪)が出した縦パスを下がって受けようとしたFW浅野拓磨(サンフレッチェ広島)が、相手選手ともつれて転がされる。

こぼれ球に反応したのは矢島とMF大島僚太(川崎フロンターレ)。次の瞬間、矢島は右手で大島へサインを送り、ボールを収める。おそらくは大島へ「そのまま自分を追い越して前へ行け」とうながしたのだろう。

ボールをため、大島が最終ラインの裏へ抜け出すタイミングを待って絶妙のスルーパスを通す。大島の右足にピタリと入った柔らかいタッチのボールは、左サイドをフォローしてきたFW中島翔哉(FC東京)へわたって同点ゴールが生まれた。

45分にはパスの出し手と受け手の両方で、まばゆい輝きを放つ。中島からのサイドチェンジのパスを右サイドで受けた矢島はドリブルで緩急をつけながら、右サイドバックの室屋成(FC東京)が攻め上がってくる時間を稼ぐ。

十分にタメを作ってから室屋へパスを通すと、ゴールとは反対方向に生じていたスペースへ素早くポジションを移す。このとき、右手でさりげなく室屋へメッセージを伝えていた。ボールを折り返せ、と。

「(室屋)成がオーバーラップしてきていたのはわかっていたし、そこで一気にスピードアップできたので、あのゴールに至る崩しはかなりイメージ通りだった。同点ゴールを含めて、形はよかったと思う」

室屋がマイナスの方向へ送ったクロスにダイレクトで右足を合わせ、豪快にネットを揺らした勝ち越しゴール。南アフリカ戦はボランチではなく2列目でのプレーだったが、ファジアーノで試合を重ねながら磨かれてきたプレーを、日の丸を背負った戦いでもしっかりと発揮することができた。


矢島慎也 (c) Getty Images

チームが立ち上げられた2014年1月から、矢島はほぼすべての試合で招集されてきた。味方の特徴を把握しているからこそ、自らがレベルアップを果たしている最中にいるいま、自然と言葉も弾んでくる。

「オリンピック代表の前線の選手とはほとんど一緒にやっているので、パスを合わせられる自信はあります。動き出しは目に入っているので、あとは自分が出すパスの質次第ですね。強弱のアクセントや、上を通すのか、あるいは下で速いボールを通すのか。足元なのか、スペースなのかと。そういった判断や、判断を下した後のテクニックが自分には求められていると思うので。

アシストも増やしたいし、もちろんゴールという部分も増やしていきたい。連携の部分に関してはそれほどストレスを感じませんけど、オリンピックの舞台で勝つためには、精度をさらに上げていかないといけない」

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《藤江直人》

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